消費意欲は向上も購買には結びつかず 2度の緊急宣言前後の生活者心理を比較

マクロミルは、新型コロナウイルス感染拡大を受け発令された2度の緊急事態宣言に関し、生活者心理の変化を調査。2月9日、その結果を発表した。調査によると、1回目の宣言時(2020年4~5月)に比べ、2回目(2021年1月~)では、生活者の消費意欲が大きく低下しなかったものの、購買意欲には結びついていないことが分かった。

調査対象は全国20~60代の男女1000人、国勢調査の人口動態の比率(エリア、性別、年代)に基づき割り付けを行っている。また、1回目と2回目、それぞれの宣言前後の生活者意識の変化を比較した結果となっている。

消費意欲への影響は減、一方実際の購買行動にはつながらず

調査では、消費意欲の変化を、「消費マインド」と「消費金額」の2軸に基づき分析している。

「消費マインド」は、1回目の宣言時は発令される前から低下、ゴールデンウィークの前週(4月22日)に底を打ち、ゴールデンウィーク期間中から改善、ゴールデンウィーク後(5月6日)には、前年よりも高いことを示す1.0を上回った。一方、2回目では、前回ほどの低下は見られなかった。

「消費マインド」の推移。出所/マクロミル

消費金額については、1回目・2回目の前後で大きな変化は見られなかった。2回目の宣言発令後の個人消費金額は平均1万3708円/週となっている。このことから同社は「2回目の緊急事態宣言の発令中は、生活者の消費意欲は高いものの、財布の紐は堅く、実際の消費行動にはつながっていないようだ」と推察している。

「消費金額」の推移。出所/マクロミル

なお、「消費マインド」とは、今後1カ月のモノ・サービスの購入品数や量について、「大幅に増える(100ポイント)」「やや増える(同75)」「変わらない(同50)」「やや減る(同25)」「大幅に減る(同0)」のポイントの加重平均を前年同週比*で算出したもの。「消費金額」は、過去1週間にモノ・サービスに使った金額(家賃やローン・公共料金など毎月の支払いを除く)を前年同週比*で算出したものだ。

*年末年始やゴールデンウィークなど毎年消費金額が増加するため季節的影響があり、2020年4~5月と2021年1月からの期間を単純比較できないため、それぞれ2019年の同週スコアとの比率で傾向を見ている

「不安感」を抱く人の割合は前回より減少

同調査によると生活者の「不安感」は減少傾向にある。1回目では、発令直後の2020年4月8日に51.4%が不安だと回答したが、2回目は30%未満の状況が続いており、2月3日には22.4%まで減少。「不安感」を抱く人の割合は減少傾向にあるという。

「不安感」の推移をあらわしたグラフ。出所:マクロミル
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