「オールインワンバッテリー」マキタ×CONNECTION LAB(監督:柿本ケンサク)
今回制作されたムービーは、マキタのYouTube公式チャンネルで公開中です。
マキタの道具を使う人はヒーロー
近未来を思わせる空間に堂々と存在する、マキタの電動工具「インパクトドライバ」。その貫禄ある姿は、堅牢なボディをまとったヒーローのよう。やがて工具は形を変え、草刈機、チェンソー、運搬車、芝刈機などへ変身していく。実際の使用シーンを想起させる機械音など鋭いサウンドが重なり、臨場感をかき立てる。一連の流れはまさに「トランスフォーマー」の世界だ。
この動画に登場する製品は11種類。すべて同じバッテリーで駆動するというのがマキタの電動工具の強みだ。柿本ケンサクさんはマキタの強固かつ唯一無二の価値として、「オールインワンバッテリー」というコンセプトで映像を制作した。マキタ 宣伝デザイン室 平松匠さんは「こうした自分たちの強みがブランディングにつながるのだと、発見がありました。開発、営業、管理本部など部署を超えてブランディングに参画する土台づくりができたのも大きかった」と話す。さらに柿本さんは「“オールインワンバッテリー”は機能的価値だけではなく、マキタという会社の企業姿勢や未来のあり方を照らす象徴的なもの」と考えた。
マキタは海外に50もの現地法人を持つグローバル企業だ。マーケティング活動は現地法人ごとに最適化され、各国・地域のHPのインターフェースなどが統一されていない点が課題だった。「SNS運用の検討などを進める中、グローバルでの一気通貫したブランディングやプロユース以外の人々にもブランド価値を伝えていく必要性を感じるようになりました」と平松さん。
そこで2回のワークショップを実施。1回目は「マキタの強みを支える背景要素」「顧客に提供する価値」「顧客像」など9つの観点からブランドを表すキーワードを抽出。これらをもとに、CONNECTION LABメンバーは、ブランドを表現するためのアイデアを複数提案した。そしてマキタの社内で検討を重ね選ばれたのが「オールインワンバッテリー」という切り口だった。
こうして完成したのが、冒頭の動画だ。「マキタの道具を使う人は、いわばヒーロー。子どもから見ても格好よくて、強くて、プロの仕事を可能にする人たち。そんな人々を縁の下で支えるバッテリーにスポットを当てています。社員やユーザーの皆さんがこの工具を使っていること自体に誇りを持てるように描きました」と柿本さん。
登場する工具にもこだわりがある。コーヒーメーカーなどを盛り込み、仕事以外の使用シーンも想起させるようにした。「あらゆる環境、場所、時間にマキタの工具があると感じてもらえるようなサウンドデザインに仕上げました。メカニックな映像や機械音の中にも時の流れや人のぬくもりを感じていただければ」(柿本さん)。
完成後、マキタの社内でこの動画は驚きをもって迎えられた。平松さんは「自分たちの製品がこれほど崇高なものとして表現できるのかと、皆が驚きました」と手応えを口にする。「今後はますますインフラやSNSの整備に本腰を入れていきたいです。今回、ブランドの強みが明確になったのを受け、届ける場所がいかに重要かを痛感させられました。この動画によって、背中を押された気がします」(平松さん)。
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ブランディングに関する講義+ワークショップ(終日)
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CONNECTIONからプレゼン
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マキタの社内で検討を重ねる
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マキタからプレゼンの内容についてフィードバック
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制作・編集
かきもと・けんさく
映像作家・写真家。映画、テレビCM、MVを中心に言語化表現が不可能だと思われる被写体の体温や熱量、周辺に漂う空気や気温、時間が凝縮されている作品を手がける。写真家としては演出することを放棄した時に、無意識に目の前にある世界の断片を撮り続けている。
スタッフリスト
- CD+演出
- 柿本ケンサク
- CPr
- timo
- CGディレクター
- 山内太
- CGPr
- 山藤真士
- アニメーション
- 畳谷哲也
- 音楽Pr
- 藤井意弘
- Pr
- 中島悠太
- アシスタントPr
- 殿村晋作
- プロダクション
- エンジンフイルム
- ブランディングワークショップサポート
- 井尻雄久