「One Trick Pony」 レノボ・ジャパン×CONNECTION LAB(監督:白石剛浩)
今回制作されたムービーは、レノボ・ジャパンのYouTube公式チャンネルで公開中です。
「子どもの可能性を引き出す」PCに
たくさんの馬を育てる家で育ったゲンキは、内気な小学生だ。ある日、大好きだった祖母がいなくなってしまう。「好きなことを見つけて、努力しなさい。ゲンキは天才だから」という言葉を残した祖母は、誕生日に大きなパソコンを買ってくれた。学校では全くやる気が起きなかったゲンキだったが、PCを使って絵を描き始める。
子どもの発想力は無限だ。何度も絵を描いては消して、トライ&エラーを繰り返すことができるのもPCの強み。ゲンキは一気に自らの世界を広げ、想像を巡らせる時間に没頭する。やがて絵が完成すると、米国のアートコンクールへ応募する、というストーリーだ。なお、動画のタイトル「OneTrick Pony」は「ひとつの才能に恵まれた仔馬」という意味。PCによって絵を描く才能に目覚めたゲンキの姿になぞらえている。
この動画には、レノボのPC「Yoga A940」「Yoga C940」が登場する。PCの広告は機能訴求が中心の表現が多いが、監督の白石剛浩さんがこだわったのは“誰もが子どものころに抱いたことのある感情や共通体験”をブランドメッセージにのせること。「たとえば冒頭、ゲンキが祖母に思いを馳せながら学校からの帰り道をとぼとぼと歩くシーン。誰しも幼いころの自分と重ね合わせることができると思います」。
元々、レノボでは「PCを通じて日本の子どもたちの可能性を広げる」というパーパスを掲げていた。レノボ・ジャパン 越智道夫さんによると、日本の子どもたちは諸外国に比べて「自己肯定感が低い」という調査結果もある。同社の小川亜紀子さんは「これまでPCを使って子どもたちがクリエイティビティを発揮できるよう、プログラミング教室などの場づくりにも取り組んできました。今回の動画では、さらに子どもたちの可能性を広げるようなストーリーを中心にしたいと考えました」と説明する。
制作にあたり、白石さんはレノボ・ジャパンの開発者や技術者に会いに行き、製品への思い入れやこだわりについて話を聞いた。「商品にこれほど愛着があるんだと肌で感じられて。熱い思いに背中を押され、30分弱で一気に脚本を書き上げました」。
最もこだわったのが、5分25秒の映像でPCの存在をどう描くか。「前半ではほとんどPCは出てきませんが、後半は常に画面のどこかにYogaが登場するよう構成しました。編集段階でも越智さんや小川さんと何度も検討を重ねつつ、ブランドの考えを深めていくことができました」と白石さん。プロデューサーのtimoさんも「直接、ブランドの課題を聞くことができる。これこそがCONNECTION LABという実験的なプロジェクトの醍醐味」と総括する。
2020年4月末の公開後、社内外の評価も上々だ。「社内では涙ぐんでしまう社員もいたほど。YouTubeのコメント欄の内容も好意的で、パブリシティにもつながりました」と小川さん。「オンライン学習の浸透で子どもたちにPCが必要な状況が生まれたという環境変化も大きい。“子どもに買ってあげたいPC”としてのブランディングをますます進めていければ」と越智さんも展望を話す。引き続き、ブランドストーリーを軸とした映像の活用を検討していきたいと考えている。
↓
レノボ・ジャパンの開発者らへヒアリング
↓
CONNECTIONからプレゼン
↓
再プレゼン・ディスカッション
↓
アイデアを決定、企画をブラッシュアップ
↓
制作・編集
しらいし・たかひろ
映像ディレクター。1984 年生まれ、愛知県出身。自主制作映画からキャリアをスタート。ダイナミックな映像演出と日本人離れした色彩センスを用い、MV・CM・ Web・ドキュメンタリーなどジャンル・手法にとらわれず活躍の場を広げている。
スタッフリスト
- 企画+演出+脚本+編集
- 白石剛浩
- CPr
- timo
- PR
- 河野将太
- PM
- 津留春花
- 助監督
- 芝山心太
- 撮影
- 光岡兵庫
- 照明
- テリーマン
- ドローン
- 熊木浩司
- 美術
- 秋元祐介
- 編集
- 眞田康平
- VFX
- 岸愛美
- カラリスト
- 石山将弘
- CG
- 城戸久倫
- MIX
- 岡本芳一
- 録音
- 高田林
- 音楽
- harukanakamura、audioforce
- ST
- 元廣壽文
- HM
- 三上早苗
- CAS
- 森正祐紀
- Drawing Supervisor
- 山下良平
- ロケCRD
- とみさとフィルムコミッション
- 出演
- 長野蒼大