これから、テレビメディアとテレビCMはどのように変化していくと考えているのか、テレビ事業部の宮本将典氏、三好嘉明氏に話を聞いた。
※月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)では「進化するデータと取引プラットフォーム 『テレビ広告』新時代」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。
新視聴率でわかった国内6600万人に届く影響力
私たちは視聴率には3つの役割があると考えています。①テレビ視聴を通じて、世の中の動向をあらわす情報としての役割、②番組制作・編成の参考データとしての役割、③テレビ広告の接触を示す共通指標という役割です。
家族構成や世帯人数の変化、DVRなど録画機器の普及による視聴構造の変化や、スマートフォン、タブレットといった新たなデバイスの普及と、テレビを取り巻く環境の激しく、急速な変化に対応すべく、2020年4月より新視聴率調査へ移行しています。
新視聴率調査では、調査サンプル数を全国1万世帯に拡大するとともに、個人視聴率の測定、タイムシフトの測定と、全国で調査仕様を統一し、地区毎だけでなく日本全体でもテレビメディアの価値を表現できるようになっています。昨年話題となったドラマ「半沢直樹」では、10話いずれかを視聴した人数で示すと、日本中で6600万人を超える人に届いたというテレビメディアの圧倒的なリーチ力を確認できました。
このように、テレビメディアの一番の強みである「広く、遍く、到達する」ことを全国で表現できることは、テレビ広告のリーチ力を知る上で広告主、テレビ局、広告会社の皆さまにとって大きなポイントになると考えています。上記に加え、個人視聴やタイムシフト、BSなども網羅したことで、視聴者がどのようなタイミング、視聴スタイルで番組を見ているのかも知ることができるようになりました。
こうした視聴情報の拡充は、番組の視聴者像をより鮮明にあぶり出すことができるため、今後もさらに活用いただけるものと考えています。また、テレビの視聴データを全国・個人ベースで整備したことにより、デジタル広告との関係性もご確認いただけます。
加えて、テレビ番組の視聴率データだけではなくテレビCMの出稿情報として「全国テレビCMデータ」を、全放送エリアで提供しています。
全国の地上波、BSのCM出稿状況を見ることができるので、広告主の皆さまには地域単位であったり、放送波を組み合わせた出稿戦略策定やアクチュアル管理に活用いただけると考えています。
新視聴率では、これまで「世帯」を起点に表現してきた視聴率を、「人」を中心に据えて放送コンテンツとの関わり方を示すことでテレビの価値を明らかにしていきます。「広く、遍く、到達する」というテレビメディア、テレビ広告の持つ価値を引き続き示していくとともに、視聴者個人の姿を鮮明に映し出すことで、広告効果についても詳細に確認いただけるデータとなることを目指します。
ビデオリサーチ
テレビ事業局 テレビ事業部 広告事業グループ 課長
宮本 将典 氏
ビデオリサーチ
テレビ事業局 テレビ事業部 調査グループ
三好 嘉明 氏
月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)
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特集
進化するデータと取引プラットフォーム 『テレビ広告』新時代