※月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)では「進化するデータと取引プラットフォーム 『テレビ広告』新時代」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。
認知・信頼の獲得で重要な価値を発揮
当社ではデータサイエンスを活用した広告効果分析ツール「ADVA MAGELLAN(アドバマゼラン)」をベースに、大手の広告主を中心に分析やマーケティング活動の最適化の支援を行ってきました。活動を通じて感じるのは、テレビの“認知メディア”としてのインパクトは健在であること。そして視聴者が信頼を持ってテレビを観ていることが、テレビメディアの価値を支えている要素だと考えています。
多くの人がその価値はわかっていても、課題になっていたのが効果の可視化の難しさです。テレビCMは「効果がない」わけではなく、「効果を可視化できていない」がゆえに、「本当にテレビCMに多額の投資をしていいのか?」という疑問が広告主の方々に広がっていると感じます。
数値化できるWeb広告の活用に予算がシフトしていく背景には、こうした状況があるでしょう。
今、テレビのデジタル配信など、広告としての可能性はひらけていますが、こうしたトレンドは、テレビメディアの再評価につながっていくと感じています。これまで、Web広告は明確なCPA(顧客獲得単価)、一方のテレビCMはリーチや認知とWeb広告に比較して曖昧さが残る指標で語られる傾向がありましたが、テレビCMの効果の可視化が当たり前の環境になれば、同一の指標で各々を横並びに成果ベースのROIで比較できる環境になっていくでしょう。
広告主の皆さまにとっては、オンラインとオフラインの区分がなくなり、メディアの違いがメディア名の違いでしかないというふうになっていく。そうすると、本当に価値のあるコンテンツを届けるメディア、そして生活者にきちんと見てもらえるメディアが、実績ベースで正当な評価を得られるようになる。テレビに限らず、メディアの正しい活用につながっていくと思います。
現状は広告主が本当に成果を上げるための意思決定に必要な情報が不足しています。広告主と広告会社、メディアの間にも情報の非対称性が存在している。各メディアや広告の効果が共通指標で評価され、正しい情報を獲得できれば、意思決定に必要な情報の差も極めて少なくなります。
これまで日本では、マーケティングミックスモデリング(MMM)がなかなか浸透してきませんでした。
その要因として、ソリューション自体を運用する地盤が整っていなかったことがあげられます。ツールを活用して利便性高く、スピード感を持って分析モデルを確立させること、そして各施策を統計的に比較・検討して、投資配分を決定していくこと。
こういった理解が徐々に深まっているいま、MMMで分析してプランニング、実行するという一連のプロセスが重要なのだと実感していただけているのではないでしょうか。
サイカ
取締役 COO
事業本部 本部長
彌野 正和 氏
月刊『宣伝会議』3月号(2月1日発売)
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進化するデータと取引プラットフォーム 『テレビ広告』新時代