鹿島アントラーズは1月26日、10月1日にクラブ創設30周年を迎えるにあたり記念ロゴを発表した。クラブのシンボルである「鹿の角」の造形はそのままに、フェイスの部分にはフーツラ書体で「1991」「2021」「30TH ANNIVERSARY」などの文字があしらわれている。クリエイティブディレクターの源馬大輔氏が率いるデザインチームが手がけたものだ。
「源馬さんといえばファッション業界をはじめ世界的に活躍されている方。英国在住歴もあり、国内外含めフットボールへの理解も深い。クラブが掲げるミッションや、30年かけて紡がれてきたクラブの物語に深く共感いただいたことから生まれたロゴです」と説明するのは、鹿島アントラーズ・エフ・シー マーケティンググループ コンシューマーチーム マネージャー 春日洋平氏。
源馬氏からは2020年10月、最初に5案のロゴが提示された。約3カ月かけて磨き上げるプロセスではグッズやポスターなど制作物への展開を想定し、再現性があるデザインを模索。汎用性を高め、広く活用するためのガイドラインも定めた。「クラブのカラーは赤のイメージが強いですが、今回のロゴはモノトーンで黒の強さを際立たせています。ラテン語で“未来”を意味するフーツラ書体を用いた点もポイントです」(春日氏)。
鹿島アントラーズといえば、国内最多となる20冠の主要タイトルを獲得するなど“ビッグクラブ”の印象が一般には強い。ところがクラブ関係者の見方は異なる。
春日氏によると、鹿島のように小さな街を拠点に国内最高実績を積み上げられるケースは世界的にも珍しい。クラブ発足当時は商圏やチームの実力から「99.9999%、Jリーグ加盟は不可能」と評されていたほどだ。Jリーグ発足時に加盟できたことは「0.0001%の奇跡」と語り継がれている。
「そんなルーツから、“未来に向けて革新的な挑戦を続けなければ我々は存在しえない”と常に考えてきました。だからこそフーツラ書体が持つ意味の重みも感じます。30年の歩み、そしてクラブの意志をひとつのクリエイティブとして表現できたことを誇りに思います」と春日氏。今後はグッズ展開のほか、10月に向けてドキュメンタリー映像を公開予定だ。
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