食品や生活用品の容器ボトルを再利用可能なものに置き換える、循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」が3月から東京都内で導入される。使い捨てプラスチックの削減を目指し欧米で先行している取り組みだが、容器ボトルのデザインも利用時の付加価値となっている。(本記事は『ブレーン』2021年4月号の特集「SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会」に掲載したものです)
本国では「利便性」「デザイン」に評価
世界20カ国以上でリサイクル事業を手がける米国のベンチャー企業、テラサイクルが2019年5月にアメリカ、フランスでスタートした「Loop」。再利用可能な容器ボトルを用いてECや小売店で販売し、使用後に容器ボトルを回収し、洗浄、再充填の後に再販売することでごみを減らす仕組みだ。
日本で古くから浸透していた、再利用できる牛乳びんを用いた配達システムと原理は同じと考えるとイメージしやすいだろう。現在はイギリス、カナダにも導入され、食品や生活用品など200以上のブランドで500以上の商品が展開中だ。
日本でも2021年3月に東京都内からスタートする。Loop専用の容器ボトルを使用した販売・回収経路は2種類あり、開始当初はECで5000世帯、小売店経由ではイオン17店での導入となる。
現在までに参入を表明しているメーカーは24社で、アース製薬(モンダミン)、味の素(ほんだし・丸鶏がらスープ・コンソメ)、エステー(消臭力)、キヤノン(プリンター用インク)、ネイチャーズウェイ(マジックソープ)、フィッツコーポレーション(ルームフレグランス)、P&Gジャパン(アリエール・ジョイ・ジレット)、ロッテ(キシリトールガム)など。
先行するアメリカではLoopの利用実態についてユーザーの意識調査を実施したところ、利用する理由として「利便性」「デザイン性の高いパッケージ」が上位となった。Loop 広報担当 冨田大介氏は「最も多いと想定していた理由は“環境にいい”“ごみが減らせる”でしたが、結果は三番手。裏を返せば環境配慮への意識がそれほど高くない人でも、機能性やデザインをきっかけにLoopを使う動機を持てるということです」と説明する。