動画広告のチャンスを最大化するには
では、どのようにすれば動画広告の効果を最大化できるのか。同社販売推進部 ビデオエバンジェリストの奥春菜氏は、「誰に、何を、どう伝えるか」の「誰に」部分となるターゲティングについてこう解説する。
「ターゲットの『質』と『量』、どちらを優先するか悩まれている方が多い。無関心層には“無駄打ち”のリスクがあり、関心層には配信ボリュームが減るというリスクがある。このリスクを回避するために「興味関心」ターゲティングを活用する方も多い。しかし、『興味関心層』の判定シグナルに使われている行動は、『いいね』や『フォロー』、『検索』など、ユーザーのニーズがある程度明確化した時点での行動も多いため、顕在層と同様、配信ボリュームが出にくいという声が多い。最もポテンシャルが高いターゲットは、『質』と『量』を、それぞれ一定担保することができる『潜在層』である」。
その潜在層を捉えることができるのが、ヤフーのビッグデータである、と続ける。
毎日約7000本の記事を配信するYahoo!ニュースには、興味のあるテーマ(キーワード)をフォローすることによって、そのテーマに沿ったニュースをまとめて見ることができる機能がある。また、閲覧した各記事に紐づくテーマに関心を持っている、というデータも蓄積している。
そのため、いますぐ行動に移そうとは思っていないが、興味のあるカテゴリに薄い関心を持っている「潜在層」を捉えることができる。
例えば、家電クライアントにとっての潜在層は、いますぐに購入しようとは思っていないが、興味が湧いてつい手を止めて見てしまう「今年買っておきたい家電ランキング」といった家電関連ニュースを見ている層であると定義できる。この層に向けて、情報量が多い動画を使ってコミュニケーションすることで、潜在層から顕在層への移行が見込めるという。
「どう」伝えるか、という部分では、ユーザーの広告接触体験をもとに制作することで、広告効果向上に繋がるというクリエイティブの重要性について語った。
奥氏は、ヤフーが推奨する“アウトストリーム動画3原則”として、①音なしでも伝わる動画 ②冒頭1秒以内にブランド名を出す ③最初の3~5秒で興味を惹く、を紹介。この3原則で動画をチューニングすれば、視聴時間が向上するという。
また、検索窓付近で動画マーケティングが出来るヤフーだからこそ「サーチリフトが上昇するクリエイティブの4原則」の開発に注力したとのこと。アテンション・シンプル・フリークエンシー・ギミック(仕掛け)というポイントについても説明した。
ヤフーでは、こうしたサイエンス結果をもとに、広告効果を高めるクリエイティブフォーマットの開発をはじめとしたクリエイティブ制作支援を行っているという。クリエイティブフォーマットとは、すべての広告主・代理店が、既存のクリエイティブをベースに、ヤフーが推奨するクリエイティブを制作できるよう、ガイドライン化されたフォーマットである。
実際に、サーチリフト4原則を反映したフォーマットと、通常のクリエイティブを配信した結果、ヤフーが推奨するフォーマットの方が高い効果になったという。
動画広告の直接的な成果が見える
次に、第一営業本部不動産部の尾崎悠氏は、「動画広告は行動喚起に効果的である」と、実際に大きな効果をあげている総合不動産グループ「オープンハウス」の事例を紹介した。
オープンハウスでは、デジタル広告配信の主目的である「獲得」に、認知系広告が寄与しているかが不明確である、という課題を抱えていた。
そこで、獲得というゴールは変えずに、中間KPIとしてサーチリフト、第一想起、間接コンバージョンという3項目を設定。ブランド認知が顧客獲得にどの程度寄与しているかを可視化した。この中間KPIを最大化するために、クリエイティブに動画広告を活用。動画は情報量が多いため、ユーザーにアクションされやすいと考えたからだ。
結果、動画広告配信前に比べ、サーチリフトが33%、第一想起は45%、間接コンバージョンは11%向上した。
オープンハウスの矢嶋修氏は、「デジタル広告では獲得目標があるため、認知系施策に注力しづらい背景があった。動画広告がサーチリフトにどれくらい効果があるかをヤフーさんに調べていただき、想定以上の効果が得られた。今後も動画広告で、獲得に加え認知のほうも引き上げていきたいと思っている」と語った。
また、他媒体との違いについては「エリア特性に合わせたクリエイティブとターゲティングを展開しているが、Yahoo!広告については首都圏以外でも母数が担保できている。ライフステージに変化がある層などにもターゲティングできるのが魅力」とのこと。
最後に宮村氏が再度登壇。「動画広告を始めたいと思ったが、何から始めたらいいかわからない」というお客様のために用意したソリューションとして、同社作成の動画広告プランニングプレイブックや、クリエイティブ無償制作などのサービスを紹介し、カンファレンスを締めくくった。
登壇者
ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部 営業推進本部
販売推進部 部長
宮村壮氏
ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部 営業推進本部
販売推進部 ビデオエバンジェリスト
奥春菜氏
ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部 第一営業本部
不動産部 セールス1
尾崎悠氏
株式会社オープンハウス
マーケティング本部 マーケティング部
矢嶋修氏
お問い合わせ
ヤフー株式会社 マーケティングソリューション
URL:https://yahoo.jp/bEDUGJ