プロジェクトが導く可能性
完成した動画は、Zoff 原宿店でも公開された。インターメスティックの研究機関Zoff Eye Performance Studio(ZEPS)の責任者 逆井浩之さんは、このプロジェクトに賛同した理由をこう話す。
「当社では20年にブランドのコンセプトを『Eye Performance』に刷新しました。かつてハンディキャップを補うものだったメガネが、ファッションとして楽しまれるようになったり、アイウェア型のデバイスの開発が進んだりと、人の可能性を広げるツールとしての価値を持ち始めたことがその背景にあります。
メガネを売るだけでなく、ブランドとして今一度『見る』ことに着目し始めたタイミングだったので、With My Eyes の話を聞き、全く違和感なく賛同を決めました」。
プロジェクトへの賛同は、社内でも思わぬ効果があったという。
「撮影の実施前に、動画に登場した秋葉さんと話す機会がありました。何を撮りたいですか?と聞くと、『人の表情』と『空の青と海の青の境目が見たい』と答えられました。そのコメントを、その週の当社の朝礼で全社員に話すと、社員がものすごく喜んで。いわば、エンゲージメントを高めることにつながったわけです。ずっと眼鏡を売ってきた僕らが、本当は何を考えなければいけないのか。社内で話し合うきっかけになりました」(逆井さん)。
実際に店舗に消費者の方との接点を設けたことで、デバイスを試したいという声も集まったという。「『RETISSA』を用いると、これまで光学的に見ていたものを、デジタル的に見るようになる。面白いのは、ロービジョン者の方々も含め誰もが同じ景色を見られる可能性があることです。視力の補助に限らずさまざまな可能性を探っていきたいですね」と、逆井さんは今後の可能性を見据える。
QDレーザは今後も賛同企業と模索しながら、新たな取り組みを進めていく考えだ。
「レーザ網膜投影という技術をスマートグラス、広告などさまざまなソリューションとしても展開していき、ゆくゆくはそれらを兼ね備えたAR のプラットフォームをつくれたら、と考えていきます。さらにそこにさまざまな専門家が集まることで、その分野でのイノベーションが起きるのではないでしょうか。まずはこの1年かけて、引き続き認知度やユーザー数の増加に取り組んでいきます」(菅原さん)。
全体
- 企画制作
- 電通+AOI Pro.+CONNECTION
- CD
- 秋山貴都
- AE
- 越智浩樹
- AD
- 高橋理
- Pr
- 村田淳一、穴久保亮
- PM
- 山本廉
- 制作アシスタント
- 趙娜
- PR プランナー
- 岩城大志、宇野逹平、新田祥子、小川沙織
Web 動画
- 演出+撮影
- 柿本ケンサク
- 演出
- 稲垣理美
- 撮影
- 小山麻美
- 照明
- 森寺テツ
- プロダクションデザイン
- 延賀亮
- ポストプロダクションPr
- 金子鉄平
- 編集
- 戸野部美奈(オフライン)、馬込夏帆(オンライン)
- カラリスト
- Ben Conkey、西田賢幸(アシスタント)
- MIX
- 渡辺寛志
- 音楽Pr
- 山田勝也
- 音楽PM
- 新保祐一
- 音楽
- 角銅真実
『ブレーン』2021年4月号
【特集1】
SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会
・QDレーザ「With My Eyes」
・上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY
・NoMaDoS「slowz」
・ヤンセンファーマ「FACT FASHION」
・Innovation Design「KITCHEN MANE」
・I-ne/Botanist「共に生きる」ブランドキャンペーン
・豊島「FOOD TEXTILE」
・日本環境設計「BRING」
・Loop Japan「Loop」
・つながりをつくり社会課題の解決を目指す/高島太士(FIRST APARTMENT/NEW HERO)
・SDGsの達成へ「行動の10年」クリエイターに期待すること/根本かおる(国連広報センター 所長)
【特集2】
音声メディアに注目 どうなる?ラジオCMのクリエイティブ
・ヒット連発のクリエイターが集結 東西「ラジオCM談義」
・「ラジオCM制作実践講座」レポート
【青山デザイン会議】
3.11から10年 東北発、未来へ向かうクリエイティブ
・佐藤哲也(ヘルベチカデザイン)
・島田昌幸(ワンテーブル)
・長谷川琢也・安達日向子(フィッシャーマン・ジャパン)