クロスMDで1.6倍の売上も
パッケージは、ガム製品で主流のスティック型やボトル型ではなく、パウチ型を採用。山本氏は、その理由について「ターゲットである女性が好む形態である」こと、また「パッケージが大きいため商品の特徴を強く訴求できる」こと、を挙げた。
パッケージ上部には“マスク着用時の気になるニオイに”というコピーを配置。山本氏は「消費者が縦長形態の商品を見る際、目線が上から下へと移る傾向になることを利用した」と話す。また、今回大きな販売ウェイトを占めるコンビニでの陳列も想定した。
また、スーパーやドラッグストアなどガムを目的に訪れることの少ない販売チャネルでは、マスクなど購入動機になりやすい商品と組み合わせた陳列を提案。クロスMDでの販売促進を図った店舗では、1.6倍の売上を記録した。
1月19日の発売から出荷は計画通り進み、「マスク着用時にガムを噛む習慣はなかったが、購入してよかった」「目のひりつきがない」といった反響のほか、ジャスミンフレーバーへの評価も上々という。
コロナ禍の影響でガム市場全体の苦境は続きそうだが、山本氏は今後について、「いかに消費者の目に触れさせることができるかが勝負。販売分析を踏まえ、商品展開やマーケティング戦略を再考していきたい」と話す。
さらに、「“自宅で手軽にできるキシリトール習慣も謳っていきたい。コロナ禍でこれまでは課題だった子ども向けガムが伸びているので、商品ラインナップを増やしたり、家族でのガムの楽しみ方を伝えたりしたいですね」と、逆風下でも光を見出していた。