セーラー万年筆は3月26日、オフィス用品大手プラスと共同で、消費者向け直販(DtoC、Direct to Consumer)ブランド「ancora(アンコーラ)」をスタートさせる。同日、オンラインショップを開設、実店舗を東京・銀座でオープンする。
「ancora」では、消費者がオリジナルのギフトを仕立てたり、万年筆をカスタマイズできたりと、実店舗とオンラインストアを相互に行き交うような購買体験を提供する。また、プラスグループ各社の製品も展開し、メーカーを横断したショップブランドとして展開する。
両者は2018年に資本・業務提携。2020年にはプラスを割当先とする新株予約権付社債を発行、20億円を調達し、実質的に子会社となっている。文具の販売やマーケティングに注力し、双方の企業価値の向上を図るという。
セーラー万年筆の2020年12月期の売上高は前年比9.9%減47億9800万円で、1億3600万円の純損失。3期連続の赤字となった。新型コロナウイルス感染症の拡大で、輸入筆記具が大きく落ち込んだほか、ボールペンなどの低価格帯の筆記具も不振。ICT化の進展で筆記具の利用機会が少なくなる中、万年筆をはじめとした高付加価値文具の需要を掘り起こしたい考え。