カンロは、3月9日に朝日新聞に新聞広告を出稿した。
その広告に記されたメッセージは、「感謝の言葉は、自粛しないでください。」。
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響で増えた在宅時間。家族の絆が深まったという声がある一方で、長く一緒にいることでのイライラなどから壁ができたという声も聞かれる。
「在宅勤務が日常になると、甘いものを食べたくなる瞬間が増えました。あ、この先の見えないストレスに対して糖分が果たす役割は実は大きいのではないか…そんな個人的な気づきからメッセージを開発しました」と話すのは、博報堂コピーライター 野澤幸司さん。自身のそんな経験からメッセージを開発し、カンロに自主提案したところ、同社の迅速な判断により、緊急事態宣言下での掲載となった。
感謝の言葉は
自粛しないでください。
世の中が変わり在宅時間が増えたことで、
家族の絆が深まったという人がいます。
一方で、逆に家族の間に壁が
できてしまったという人もいます。
家族もずっと一緒にいたら、
イライラしたり煩わしいと思うのは当然。
そんなストレスを最も解消してくれるもの、
それは「ありがとう」という名の糖分です。
もし緊急事態宣言が解除されたとしても、
まだしばらくは、家で過ごす日々が続くでしょう。
けれど、長い人生の中でこれほど
家族と同じ空間、同じ時を共有できる機会は
もうないかもしれない。
だからこの非常時を、ぜひ有意義に使ってください。
一言のありがとうと、一粒のキャンディで、
家族の間に生まれそうになる壁を
静かに溶かしながら。
「カンロ飴をなめた後のような、甘く幸福な読後感のコピーを目指しました。3年前に提案させてもらったタグライン『糖から未来をつくる。』の中には、ありが糖も入っていました」(野澤さん)。
同社ではキャンディを通してエールを贈る「キャンディエール」プロジェクトを昨年8月よりスターとしている。今回、この広告をきっかけに、「家族へ“ありがとう”を伝えよう」フォロー&引用RTキャンペーンを開始。3月22日(月)まで実施する。
スタッフリスト
- 企画制作
- 博報堂+博報堂ケトル+TBWA\HAKUHODO+博報堂プロダクツ+ツープラトン
- ECD
- 船木研
- C
- 野澤幸司
- AD
- 徳野佑樹
- D
- 小野ひかり、松﨑賢、矢野麻子
- 撮影
- 亀井友吉
- Pr
- 戸越康二、小川亮輔
- レタッチ
- 宮本准
- AP
- 根反雅紀、前田和典