ヒット書籍『面白いって何なんすか!?問題』、タイトル誕生秘話
井村:僕、さっき話が出たACC のラジオ部門の審査委員長をやらせてもらっていたんですけど、Spotifyでいうと、今年も去年も B カテゴリーで出品されていたんですよね。
中村:あー、そうなんですね。
井村:はい。ラジオ CM じゃなくて、音声を使った広告活動の一環ということで、去年からBカテゴリーというのができたんですけど。そこにSpotifyが出ていましたね。
権八:へえーー。
中村:井村さん、最近あの本も出されたということで!
権八:そうですよ!
井村:はい。
権八:これ、僕自分で予約して買いました。『面白いって何なんすか!?問題』(ダイヤモンド社)、井村光明!
井村:なんか最近本をですね。澤本さん、出していただいたんですけれども…。
澤本:これ、読んだ人が面白かったって言う。
権八:みんな面白いって言っている!俺も途中まで読んだけど…。
井村:36ページでしょ?
一同:(笑)。
権八:デコン〔 (deconstruction:脱構築)の造語〕問題(笑)。
井村:内容が薄いから、すぐ読めたっていうふうに皆さんおっしゃってくださって。
権八:(笑)。そんなことない!僕らが無意識でやっているような「どうやって頭を使っているか」みたいなことをどんどん分解されて解説されると、すぐそれに影響を受けちゃうんですよ。
澤本:あー、分かる。どういう経緯で、井村さんにこの話があったんですか?
井村:僕は博報堂の社員なんですけど、会社で『広告』っていう雑誌を出しているんですよ。
権八&中村:あー!
澤本:出してた。
井村:そこで僕が「タバコ以外ならやめてやる」っていうドキュメンタリーものの連載をさせてもらった時期があったんですけど、それを見た編集者の方がたまたま昔、ヘビーメタル飲み会で…。なんか「40代メタル飲み会」ってのがたまたまありまして…(笑)。
澤本:なんだそれ(笑)。
井村:そこで1回会ったことがある人だったっていう。そこはもう、はしょりますけど、当社の雑誌で書いた僕の記事を見た方が声をかけてくださったと。
権八:そうなんだ。宣伝会議とかじゃないもんね、だってダイヤモンド社だもん。
中村:お!?
井村:そうなんです。
澤本:ビジネス本だよ、だから。
権八:うん(笑)。
中村:でも確かに、広告業界の、特に入社したてのときとか、「面白いって何なんだよ、一体!」みたいなことってみんな思いますよね?この重鎮のお二人は思わなかったかもしれないですけど…。
権八:いやいや。
澤本:でも、そういうことを言われた時にさ、文章にするのって怖くない?
権八:怖いです。
澤本:僕もこういう話が来たことがあるんですけど、怖くてやめちゃったんだよね。
権八:あーー。
澤本:でもそれをちゃんと書けるじゃない。すごいなぁーと思うんだよ。
井村:僕の場合は宣伝会議の講座とかで、まったくこの通りに聞かれるんですよ。何回も「面白くないなー」って言っていると、「面白いって何なんすか!?」って逆ギレされたりね。
一同:(笑)。
井村:それに答えるまでっていうドキュメンタリーじゃないですけれども、何かその生徒と僕が悩んでいる様子を単に書いてみて。結論がない本ですね。
権八:(笑)。
中村:(笑)。しかし何となく、面白いとはこういうことなんだ!みたいなことが、分かる。
井村:分かるかどうかは、分かりませんけど。
中村:(笑)。
井村:僕的にはとりあえず、今すぐできることっていうのはこういうことじゃないかな、っていうのを書いたつもりなんです。
中村:なるほど。そういうハウツー的な要素も含まれている。
井村:はい。
権八:でもほら、「本書の教えを受けた生徒は、新人賞を受賞」って。
中村:(笑)。獲りたいです。
井村:たまたま獲ってくれたんで、書いてくださったんですけどね。
権八:どうやったらイムリン(井村さん)みたいな面白いプランナになれるのか。皆さん、彼はあの「さけるグミ」(UHA味覚糖)のCMプラナーですからね。彼がすでにしていることを、みんなができるようにしてあげるっていうのは、なかなかできないことですよね。
澤本:できないことですよね。
権八:それをしようとしているのが偉いなー。