ラジオCMの潮流は、「エモさ」か「技術」か
澤本:僕、権八がうーんって言っているのは、違う意味で言っているのかと思った。
権八:何でしょう?
澤本:いや、なんか全然エモくないじゃない。
権八:まあ、そうですね。
澤本:ラジオCMの特性として、技術として面白いでしょっていうネタものと、さっきの定時退社を促す放送みたいな、聴いていて気持ちが動きましたってものだと、後半のほうが好きなのよ僕ら。
権八:うん、気持ちがね。
澤本:気持ちが動くほうが好きなの。でも今回選ばれたものは、どちらかというと、ネタとしてこういうものがあって、っていう音ものが多かったの。音の工夫っていうのが今年の特徴としてあるとすると、もしかしたらゴールドであった例の社内放送も、違う年だったらグランプリになっているかもしれない。
権八:なるほど。
澤本:今年の流れだとこれだったんだよ。
権八:うん、流れねー。
澤本:全体をそういう目でまとめて聴くと、今年の潮流ってあるんだなっていうふうに見えるかも。
中村:そうですね。確かにおっしゃる通り、音を工夫した作品が目立ちますね。
井村:先週も言いましたけど、ブロンズ、ファイナリストのところにけっこう、個性的で好みが分かれる作品がたくさんあったんです。そんな中で投票に残ったものだから、分かりやすいもの、音を工夫したものに票が入っちゃったというのもありますね。
権八:もしかしたら審査員の方によっては、自分の本当に一番好きだったやつは落ちちゃったみたいな。
井村:そんな声が多かったです。
権八:えーー!
井村:「あれを推していたのに…」っていうのはけっこうありましたね。なので本当は全部聴いてもらいたいんですけど……。今年の特徴として、若い方が今までラジオに出稿していないようなクライアントとラジオCMを作ってたりということもありました。テレビCMがお好きな方は知っていると思いますが、静岡県のコンコルドっていうパチンコ屋さんのテレビCMがACCのテレビ部門で毎年大暴れしているんです。
中村:知っています!大暴れしていますねー。
権八:(笑)。
井村:それがラジオCMにもやってきて、ブロンズに入ったんですね。
権八&中村:そうなんだ!
権八:誰が書いているの?
澤本:テレビCMの演出を山内(ケンジ)さんがやっていたから。山内さんじゃないのかな?
権八:山内さんだ。
澤本:聴いたほうがいい。
井村:ブロンズですね。シリーズ広告なんですけど、ラジオCMをやっていなかったクライアントがどんどん参戦してきているなと思って。これからもっと増えてくるんじゃないかと思っていますよ。
権八:面白い。