位置情報の活用で来店傾向までも分析可能に
月間平均利用者数約850万人を超えるradikoは2020年6月から、聴取におけるさまざまなデータを可視化し、ダッシュボード上で誰でも簡単に確認することができる「radiko viewer」を、全国の放送局へ提供している。
「radiko viewer」では、ラジコユーザーの聴取ログやユーザーアンケートのデータなどを組み合わせ、各放送局のリアルタイムの聴取状況や、番組ごとにどのような層が聴取しているかプロファインリングができる。また、ビデオリサーチやマクロミルなど外部データホルダーとも連携しており、例えば、その番組を視聴しているリスナーの生活意識などの傾向も知ることができる。
その中でも坂谷温氏が、特にユニークな機能として挙げるのが「位置情報分析」だ。ラジコは、スマートフォンアプリでの聴取が95%を超えるサービスであり、位置情報で放送エリアを判定しているため、ユーザーの位置情報の取得は前提条件となる。その位置情報データを活用することで、各番組のリスナーがどのような店舗に来店しているのかという傾向まで把握することができる。
「これらの情報を活用することで、例えばガソリンスタンド来店者が多い番組であれば、自動車のユーザーであることが推測できます。このようにデモグラ属性にとどまらず、放送局側が広告主企業に番組の特性を提案することが可能です」。
現在は過去の位置情報に基づいた来店分析となっているが、将来的には現在の位置情報と連携させることで、音声広告であることの優位性がさらに高まるのではないかという。「音声コンテンツだからこその、『ながら』聴取というスタイルにより、来店時の行動を阻害することなく、自然な広告訴求が可能になると期待しています」と坂谷氏は話す。
加えて、同社が提供する「ラジコオーディオアド」によって、ターゲットを絞って広告を配信することができる。
「今後は、会員基盤を持つ企業とのデータ連携も視野に入れています。コンテンツの聴取から、遷移してどれだけ購買につながったかまで把握できれば、よりラジオメディアや音声広告の価値向上につながると考えています」。
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