2020年2月に静岡市が、博報堂静岡、博報堂ケトルと共に立ち上げた「静岡市プラモデル化計画」。静岡市の観光交流人口増加を目的に、プラモデル生産が8割を誇る同市の魅力を世界にアピールすべく、「まちの風景をプラモデル型に変えていく」というシティリデザインプロジェクトだ。
開始から1年を経て、本プロジェクトの除幕式が3月19日に開催され、合計4基のプラモニュメントがお披露目となった。
プラモニュメントとは、街の中にあるさまざまなものを「組み立て前」のパーツに分解したモニュメントのこと。今回、JR静岡駅南口とインメッセ静岡には静岡市をPRする「模型の世界首都 静岡」のロゴを、JR静岡駅南口には本プロジェクトの概要などを紹介するPR看板を、静岡市役所静岡庁舎 青葉通りには郵便ポストのプラモニュメントが設置された。
特筆すべきは、日本郵便とコラボレーションした「プラモデル型郵便ポスト」だ。「いつも使っているあの赤いポストが、もしプラモデルだったら?」という発想から、ランナーに分解されたポストが誕生した。「実際のポストを分解してプラモデルのランナー型にリザイン、製作しています。このポストには、ちゃんと手紙を投函できます」と、企画をした博報堂ケトル クリエイティブディレクター 畑中翔太さん。
除幕式に出席した田辺信宏静岡市長は「(プラモデルの)ハードソフトの手法を駆使して、静岡市をプロモートする。静岡市を、世界に発信をしていくシティプロモーションの大きな素材にしていきたい。世界中から人が集まる街、世界に輝く静岡の実現に向けて、この静岡らしさを追求する、模型の世界首都、今日からスタートです」と、自身の思いと同市の展望を語った。
本プロジェクトでは現在、市の補助金を活用しながらプラモニュメントの製作に参加してもらう民間企業を募集している。また、小学校で児童がプラモデル産業について学んだり、製作するものづくり教育の実施、プラモデルを活用したグッズ開発など、プラモニュメント以外にも市民を巻き込みながら活動していく考えだ。