さまざまなプラットフォームが立ち上がり、毎年成長を続けていた動画市場だが、コロナによる生活環境の変化で、さらに大きく成長した。その中でも、ユーザーが急速に拡大しているのが「民放キャッチアップ」だ。広告媒体としての活用が広がるキャッチアップの特徴について、テレビ朝日とUltraImpressionに話を聞いた。
MAUは1899万にものぼる“キャッチアップ”とは?
国内動画広告の調査(サイバーエージェント調べ)によると、2020年の動画広告市場は2954億円と、2019年と比較して114%の成長。2021年は3889億円ほどに成長する見込みだ。YouTubeやVODなどオンラインサービスだけではなく、テレビの価値も見直される中で、活用が広がっているのが「民放キャッチアップ」だ。
キャッチアップとは、地上波のテレビ番組を複数のプラットフォームで配信する、いわゆる“見逃し配信”のことで、代表的なプラットフォームに「TVer」や「GYAO!」、テレビ朝日が運営する「テレ朝動画」などがある。
ビデオリサーチの調査によると、2020年9月時点で、民放キャッチアップのMAUは約1899万と順調に伸びており、民放各局も注力しているという。
そんな中、テレビ朝日は国内では初となる「テレビ局主体の動画広告配信プラットフォーム」を提供する「UltraImpression」を、Supershipホールディングス、サイバーエージェント、電通グループ、博報堂DYメディアパートナーズと設立し、独自のセールス展開を行っている。
UltraImpressionの青柳氏は「まず、民放キャッチアップの大きな特徴としては、ブランディングにとって非常に重要な『視聴完了率』、『有音再生率』がともに90%以上という高い水準を記録している点があげられます。また、視聴いただいている層としては、若年層の視聴比率がテレビ視聴比率よりも高く、テレビユーザーとはまた違った層へのリーチ獲得の機会につながっています」と話す。
UltraImpression馬淵氏は「当社ではデジタルの特徴である様々なデータを用いての配信が可能です。また、広告配信プラットフォームでありながら、広告配信を行う対象コンテンツとの距離感が密で、コンテンツの理解がしやすいのは特色です。企業イメージを構築する上で重要な『ブランドセーフティ』という点において、信頼できるコンテンツを通じて広告配信が可能です」と話す。
「また、UltraImpressionはテレビ朝日由来の会社ではありますが、広告配信プラットフォームとして、個別サービスを向上させることも意識しています。テレビ朝日のキャッチアップに加え、朝日放送テレビのキャッチアップ、ABEMA、TVerPMPへの配信を行う『UI-CONNECT』をメニューに追加。クライアントのニーズにお応えできるような独自のメニューも開発しています」(青柳氏)。
テレビ朝日のコンテンツを活かすキャッチアップならではの施策
テレビ朝日でキャッチアップのセールスを担当する吉田氏は、「テレビのコンテンツを活かしたメニューが増え、アドバタイザーへの提案の幅が広がった」と言う。
「今までは、地上波のCM枠が埋まってしまった際には、そのタイミングでの提案ができない状況でした。しかし、キャッチアップという選択肢によって、地上波コンテンツを用いた希望期間での配信提案が可能になりました。また、デジタルの柔軟性を活かした他領域を交えた企画も展開できるようになりました。直近では、当社のコンテンツを活かしたオリジナルコンテンツを作成し、様々なプラットフォームを用いながら企画展開するなど、色々な形にトライしています」。
昨年11月に、テレビ朝日の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』は、リクルートの「SUUMO」とタイアップしたスピンオフ番組『初めての住まい探しでしくじらない為の授業!』を制作。スピンオフ番組は、テレビ本編の演出/プロデューサー北野貴章氏もチームに加わり、企画。スタッフやスタジオ、出演者も番組おなじみのメンバーで制作することによって、コンテンツの特徴、世界観を最大限に生かした形で実現。地上波での告知などは一切せず、TVer、ABEMA、YouTubeなどデジタルメディアで配信した。
UltraImpression配信メニュー
テレ朝キャッチアップ
● テレビ朝日のキャッチアップへの配信。
● コンテンツコラボの企画も展開可能。
● ターゲティング、素材秒数の調整など柔軟性の高い配信が可能。
UI-CONNECT
● プレミアムな動画プラットフォームを掛け合わせての配信が可能(指定・選択可)。
● リーチ獲得に効果的。
吉田氏と同じチームの渡邉氏は「リーチ力の大きい地上波で告知しなかったにも関わらず、配信数(キャッチアップ視聴数)が地上波で告知した時と同程度になり、反響の大きさを感じています。広告でありながらも視聴者の方にはコンテンツとして楽しんでいただけました。当社のコンテンツに対するノウハウや、デジタル領域での広告ツールを活かせた企画だと考えています」と話す。
最後に吉田氏、青柳氏は「より多くのアドバタイザーにテレビ朝日のキャッチアップ、UltraImpressionを活用いただきたいと思っています。動画広告をより身近に感じてもらえるような企画やプラットフォームの構築を目指します」と展望を語った。
お問い合わせ
株式会社UltraImpression
東京都港区六本木6-9-1
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MAIL:sales@ultraimpression.co.jp