多方面で高まるOMOへの期待
染谷:デジタル推進部ではマーケティングのデジタルシフトを担っており、具体的には「ECの販促施策」「オウンドメディアやSNSの活用」「デジタル活用による店舗(=オフライン)での売上向上」に取り組んでいます。3つ目がOMOに密接にかかわるトピックで、私も現場の実担当として、力を入れてきました。
コロナ禍でEC需要が高まってきたとはいえ、食料品のEC化率は未だ2%台であり、多くの消費者は実店舗で購入しています。UCCの商品も例外ではありません。マス広告を打てば消費者にリーチはするのですが、本当にそれが店舗での販売につながっているのかを数字で示すのは容易ではありません。デジタル施策を用いてこの最大の買い場で投資効果を上げられる打ち手を模索していたところ、フェズをはじめ様々なテクノロジーが上がってきました。現在はパートナーの開拓や効果の検証を進めているところです。
安藤:広告出稿がオフラインでの購買にどれほど結びついたかをデータで示すことは、長年の課題とされてきました。オンラインでのタッチポイントが増え、購買データは蓄積されている一方、これまではオンライン上の施策はオンライン上の購入という成果だけに帰結しがちでした。オンラインとオフラインを効果的に接続し、オフラインで効果を発揮することへのニーズは、食料品や日用品など店舗が主戦場とされてきた商材で特に高まっていると感じます。
オフラインで結果を出す広告
染谷:今回「Urumo Ads」を使った施策の結果、対象店舗での購買率が広告非接触者と比べ18%向上するという成果が得られました。このサービスには「オンライン広告を含むテクノロジーを使って、店頭での売上につながる成果を出していく」という明確な目的があり、その目的に対し、「オフラインでのユーザー行動を軸に考えられた広告施策および効果測定」が可能です。まさにオフラインで効果を出すためのデジタルの施策を探していた当社にマッチしているサービスでした。
フェズからは広告運用とレポートだけではなく、量販店の棚商談のスケジュールに合わせて当社の営業部門のディスカッションに入ってもらい、営業活動への具体的なアドバイスをいただいています。消費者向けのアプローチ方法のみならず、デジタル施策を用いていかに営業が小売のバイヤーとの交渉をうまく進められるか、いかに商品を配荷できるかも重要。そこに力点を置いて支援してくださる点も非常に助かっています。
安藤:メーカーの店頭活動の支援は大事にしており、プロダクト設計の段階からマーケティング部門と営業部門が双方に活かし合えることを意識しています。また効果測定においても、実際の購入層、効果のあったクリエイティブ、新規顧客と既存顧客の反応の違い、購入された時間帯などかなり落とし込んだ分析をしています。
染谷:今回は既存製品のプロモーションの一環で実施したため、広告のクリエイティブは既存のものを活用しました。配信する際に、成果を出したい小売チェーンを一つ定め、配信セグメントのかけ方を工夫することで効果のあるモデル構築を裏側で行っていました。
「Urumo Ads」に限らず、デジタル分析・施策は広告の投資効果が即時かつ細かく分かるのが魅力です。これにより、机上の空論のようなマーケティングストーリーを脱することができ、トライアンドエラーの精度も上がったと感じています。
Urumo Adsサービスの全体像
OMO施策でブランドの成長へ
安藤:昨年10月に、逆算型OMOプラットフォーム「Urumo OMO」のサービス提供を開始しました。「UrumoOMO」は、複数の小売店とのパートナーシップを組むことで連携が可能になった約5000万の小売ID をはじめとして、購買データや店頭データ、位置データなど「買い」に近い様々なデータを集約したプラットフォームです。これらのデータは小売各社の許諾を得た上で、フェズ独自の分析ロジックを通して戦略や施策立案のために活用します。あくまでも消費者の実際の購買行動の分析を受けてビジネス課題を抽出し、効果的な打ち手を考えるという点から「逆算型」と呼んでいます。
今回お使いいただいた「UrumoAds」は、その中のOMO型の広告サービス。広告を出した結果、オフラインで消費者が購買や来店につながったかを可視化して振り返ることができるため、次の施策の改善を適切に図ることができます。改善の繰り返しが、単一小売での売上アップにとどまらずブランド自体の成長につながっていきます。これからマーケティングDXが進む中で、様々な強みを持つ他社ともパートナーシップを広げながら、メーカーや小売各社の売上拡大、セールスリフトに貢献できるプラットフォームを拡充していきます。
オフラインでの購買行動を可視化し広告精度を向上効果測定機能も充実の「Urumo Ads」
リテールテック企業のフェズが提供する、購買データや位置データ、店頭データなど種々のデータを集約したOMOプラットフォームが「Urumo OMO」。そのうち広告領域を担うのが「Urumo Ads」だ。従来見えづらかったオフラインでの購買行動を可視化し、そこから逆算して課題を発見して効果的な広告施策に落とし込むことができる。
例えば、小売から預かったID-POSデータやアプリを介したスマートフォンの端末IDを活用して最適な広告ターゲットを設定し、広告を配信。主要な動画メディアや各種SNSと連携しているため、それらメディアへの広告配信も可能。効果測定もオフラインでのユーザー行動をベースに検証できる。クリエイティブによる効果の差異を分析する「クリエイティブ別効果検証」、ターゲットセグメントごとの効果を検証する「ターゲット別効果検証」などの機能で、マーケティング投資の適切配分に貢献する。
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