『デジノグラフィ』発刊記念イベントレポート「目指したのは、ビッグデータ版の『ファクトフルネス』」

3部「詳説!生活総研の秘伝ノウハウ」

第3部では、『デジノグラフィ』の中で紹介している10の分析技法についての解説が行われた。

 
「書籍『デジノグラフィ』では、分析手法を誰もが使えるスキルとしてわかりやすく語っていくことを意識しています。その結果、まとめたのが10の技法です。

1から5の技法は、ビッグデータをどのように観察すると新しい発見を導けるか、に関する技法です。例えば、1のボーダーライン分析法は、冒頭でご紹介した『47歳が髪質の曲がり角』という事例で活用したものです。年齢や時間、気温といった量的な指標を軸としてデータを分析した際に、特定の値の前後で状況が変わる境目、つまりボーダーラインを見つける技法です」

その後、酒井さんは技法の6から10まで、単に「面白い」ということを超えて、議論や意思決定に対して強いインパクトをもたらすキラーデータを抽出する技法を解説。参加者からの質疑応答を経て、イベントは終了した。10の技法の詳細や、身近なテーマによる豊富な研究事例はぜひ書籍をご覧いただきたい。

最後に堀さんから、今後のデジノグラフィ研究についての展望が語られた。

「デジノグラフィという考え方自体が3年ぐらい前に生まれたもので、私たちもまだ研究をはじめたばかり。日々進化させているところです。街場の観察から生活者の暮らしを洞察するタウンウォッチングと同様、色々な場所の、色々なビッグデータを見る必要があります。

私たちの研究自体も、色々な方と協業しながらやっていきたいので、もしも一緒に仕事がしたい、研究してみたい、と思われる方がいたら、ぜひWebページからご連絡をいただければと思います」

登壇者プロフィール

堀 宏史
博報堂 博報堂生活総合研究所 所長代理

1993年博報堂入社。得意先のデジタルマーケティングに関わる業務に従事。2019年より現職。カンヌクリエイティブフェスティバル、スパイクスアジア、アドフェスト、ロンドン国際広告祭、文化庁メディア芸術祭グランプリなど受賞歴多数。

 

酒井 崇匡
博報堂 博報堂生活総合研究所 上席研究員

2005年博報堂入社。マーケティングプラナーとして、教育、通信、外食、自動車、エンターテインメントなど諸分野でのブランディング、商品開発、コミュニケーションプラニングに従事。2012年より現職。著書に『自分のデータは自分で使う マイビッグデータの衝撃』(星海社新書)がある。

 

佐藤 るみこ
博報堂 博報堂生活総合研究所 上席研究員

2004年博報堂入社。飲料、食品、製薬、化粧品など様々な企業の商品開発、コミュニケーション戦略立案、ブランディング業務に従事。2019年より現職。

 

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