「係り受けの関係性」も見える化可能
プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」の特徴のひとつが、「係り受け(=言葉と言葉の関係性)」も可視化できる点。
「名詞」と「動詞」、「名詞」と「形容詞」など、それぞれの単語がセットで使用された数・割合も知ることができる。
日本情報経済社会推進協会の課題への応募作では、「個人情報-守る」「プライバシー-守る」「情報-守る」がベスト3となり、すべての名詞に「守る」という動詞が係っている。
「係り受け」ランキングについてプラスアルファ・コンサルティングは、ランキング5位の「口-堅い」と10位の「個人情報-流出する」に着目。
「口が堅い」といった擬人化を用いた言及や、個人情報関連であえて不安をあおるような言及が特徴的であると述べた。
日本情報経済社会推進協会の福岡峻氏はこれらの結果を見て、想像以上にポジティブなワードが多かったことに驚いたと話す。
「当協会の商品の性質上、また個人情報について注目される機会は漏えい事故が発生した場合などが多いことから、『ネガティブな表現』『堅い表現』が多くなるだろうと想像をしていました。しかし、『形容詞』の頻出単語を見ると、『良い』『大切だ』『必要だ』といったポジティブなワードが上位を占めており純粋に驚きました。会社として、『プラスの感情に訴求したい』という思いがあったので、大変嬉しかったです。一方で、『堅い表現』は予想通り多い結果に。これは、当協会が作成しているコンテンツの印象も影響していると感じます。『噛み砕くとどう表現できるか』を、これから考えていく必要があると課題感を持つことができました」(福岡氏)。
今後はクリエイティブなどを検討する際、「堅い」表現を意識的に和らげることで心理的ハードルを下げ、多くの生活者に「自分ゴト化」してもらうためのコミュニケーションをとりたいと展望を語った。
「見える化エンジン」ではこのように、一般の生活者が企業に対して抱いているイメージや期待を可視化することで、企業が持つ顧客体験価値を整理することができる。
さらに、企業自身が自社の提供価値だと考えていたことと、生活者視点でのイメージのギャップを明確にすることで、新たな方針の策定や、コミュニケーション方法の検討につながる。