「過去の風景」を提示していないか
結果的に、クライアントから評価されてきた自分たちの強みをうまく活かせなかったことは大きなダメージでした。
そしてもうひとつ、「負ける法則」として述べておかなければならない点があります。それは、我々の提案がクライアントに対して「過去の風景」を見せるプレゼンテーションになっていたということです。
過去の成功体験にとらわれていた我々は、前回を踏襲した企画を良かれと考え提案しました。しかし、クライアントにとっては、それはもはや過去の話になっていたのではないでしょうか。既に何回も見たことのあるキャンペーン。使い古された印象がする「過去の風景」になっていたのです。
我々は本来、クライアントに「未来の風景」をプレゼンテーションしなければならなかったはずです。我々の企画を採用すれば、「こんな新しいキャンペーンが始まる!こんな明るい売り場に変わる!」と感じさせる、ワクワクするような未来をクライアントに提示すべきだったのです。
クライアントの皆さんは、未来を見せてくれた競合他社の企画を選び、我々は敗北を喫しました。
さて、いま皆さんが提案準備中の企画は、既にどこかで見たことがあるような「過去の風景」を提示するものになっていないでしょうか。いま一度、見直してみてもいいかもしれません。
競合コンペに“負ける”法則は、他にもたくさんあります。
また次回、お伝えいたしましょう。