日本デザイン振興会は、4月1日(木)より、主催事業である2021年度グッドデザイン賞、およびグッドデザイン・ロングライフデザイン賞の応募受付を開始した。
グッドデザイン賞は、1957年から続く日本を代表する世界的なデザイン賞。毎年国内外の企業や団体、デザイナーなどが多数応募し、これまでに多くの優れたデザインが受賞している。2020年度は、4769件の応募を対象に審査を実施した結果、1395件が受賞した。
2021年度の審査委員長・副委員長は、昨年に引き続き、安次富隆氏(プロダクトデザイナー、ザートデザイン取締役社長)と、齋藤精一氏(クリエイティブディレクター、パノラマティクス主宰)で、本年度のテーマとして「希求と交動」と掲げている。
2019年に「共振」、2020年に「交感」というテーマを経て、「交動」は、さらに広い範囲で人々の間に交感が起こり、それが確かなうねりへと育つよう、「希求」はさらに大きなうねりを起こすために人類が目指すべき方向=アウトカムのデザインを示しているという。
「人類繁栄の背景には、禍いを福に変えてきた確かな歴史があります。禍いから学び、次のステップに進むための知恵と技を人は持っているからこそ、デザインが生まれるのだと思います。問題を解決するだけでなく、新しい価値を創造していくことがデザインの使命です。これからの福とは何なのか?そのためには何をどうデザインすべきなのか?多種多様なデザインが会合するグッドデザイン賞を、そのようなテーマを論じ合える場としたいと願っています」(安次富氏)
「デザインは、本来希望に満ちているものです。モノやコトを創造できる人間は、何らかの方法で様々な問題を解決しようと志しているはずです。しかし、実践へと踏み出そうとしたとき、その拠り所となる思想や哲学にまだばらつきがあるように感じます。地球環境改善への取り組み、幸福の定義、テクノロジーに代表される新しい手法との接し方などは、業界や分野、企業や個人といったフレームごとに、お互いに異なったまま推し量られています。これまで広く多くのデザインを横断的に見続けてきたグッドデザイン賞の役割として、審査を通じて、現時点で人類や社会が望む、進むべき方向を見出せるよう交動を進めるとともに、私たちが切に請い願う、希望の持てる方向をも示せるように貢献していきたいと考えています」(齋藤氏)
グッドデザイン賞の応募対象は、商品・建築・アプリケーション・ソフトウェア・コンテンツ・プロジェクト・サービス・システムなどで、日本国内外、一般用/業務用は問わない。2021年10月20日に受賞発表が可能なこと。また、2022年9月30日までに購入または利用が可能なことが、応募条件となる。
ロングライフデザイン賞の応募対象は、商品・建築・コンテンツ・サービスなど10年以上にわたって継続的に提供され、かつ将来にわたり継続して提供されると想定できるもの。また、ロングライフデザイン賞はメーカーなどからの応募とともに、一般ユーザーからの推薦も受け付ける(推薦受付期間は、4月30日まで)。
応募は、グッドデザイン賞ウェブサイトのエントリーページにて。締切は5月26日で、今年度の受賞結果は10月20日に発表する。
※2020年度の受賞作品を掲載した『GOOD DESIGN AWARD 2020』は4月7日に発売です。