アプリは言葉でできている
朝起きてからはじめて行うこと。夜寝る直前までに行っていること。読者の多くの方が「スマホをいじっている」と思います。それは正確にはスマホに触れているというよりも、解像度を上げて行動を捉えると、スマホの「アプリを操作している」のだと思います。
目覚ましアラームからはじまって、プライベートなSNS、ニュース、電話やメールなどの連絡、日程確認、todo管理、検索や写真撮影、電車での移動やキャッシュ決済などなど、毎日のルーティンワークはこんな感じでしょうか。私たちがスマホのアプリを使う前提においてはいくつかの段階があります。
①口コミやTVのCM、Web広告やSNS広告などでアプリを知る。
②アプリのストアで検索し、ダウンロードを行う。
③タップして実際に使用してみる。使ってみて気に入れば、利用頻度が高くなり、アプリをスマホのホーム画面に移動させたり、アプリからのお知らせを「プッシュ通知」に設定すると思います。
これらの一連のアクションの中に「UXライティング」が深く関わってきます。そのことを意識するようになったのは数々の話題性の高いコンテンツを生み出してきた「面白法人カヤック」さんがきっかけです。
カヤックさんはもともとWebサイトの制作を中心としていましたが、広告キャンペーンや動画制作、飲食店の運営やイベントを行ったりと非常に多岐に渡る事業を展開しています。
その中でも特に目立っている活動が「ゲーム開発」です。スマホアプリのゲームタイトルを軒並みヒットさせています。そのアプリのストアにおけるライティングをカヤック社内のコピーライターが担当している、ということを知りました。前々からストアの文章はアプリをダウンロードするかしないかを分ける重要な場面であり、この場面で言葉の専門職であるコピーライターをアサインするというのは合理的であると思いました。
面白いアプリをつくれば自ずとダウンロードにつながる。便利なアプリであれば自然にユーザーは増える。そのような考え方もあるかもしれませんが、実際に使ってみなければその価値がわかる瞬間は訪れません。これだけアプリがあふれる市場で、今後もアプリをつくる会社が増えていく状況を鑑みると、コンバージョンに深くコミットするUXライティングの活躍の機会が増えることは間違いないと思いました。