サニクリーンは、1960年に創業し、ダストコントロール事業、ユニフォームサービス事業、ハウスクリーニングなどのCSS事業、自動車のリースなどのオートライフ事業、アクアサービス事業などを手がける。2021年4月時点で、全国24社・619拠点、グループ総従業員は6686人。販売促進室で広報業務を担当するにあたり、宣伝会議の「広報担当者養成講座」で学んだ知識を活かしている目﨑千尋氏に話を聞いた。
ー2020年4月から広報の専任担当になったと伺いました。経緯をお聞かせください。
上司から「販売促進・マーケティングよりも、広報をやってほしい」と声をかけられたことがきっかけです。
私は新卒で当社に入社して、1年目から販売促進室に配属されました。以降、ノベルティの制作、顧客向けのPR誌、キャラクターを活用したPR、広告用の動画、コーポレイトサイトやキャンペーンサイトの作成、社会貢献活動を経て、2020年1月頃から社内報を担当していました。
入社時から、学生時代の友人と「何の仕事やっているの?」と聞かれると、「広報」と答えていました。ただ、他社で広報を担当している友人と業務内容を比較すると、私が行っているのは本当に広報活動なのだろうか、と思っていました。
20年4月から広報担当になり、広報を担当していると自信を持って言えるのが嬉しかったです。
ー着任以前、貴社ではどのような広報体制でしたか。
販売促進室が広報を兼任する体制で、攻めの広報はしていませんでした。メディアから問い合わせが来ることが少なかったこともあり、取材依頼があった際は事業部に橋渡しをしていました。プレスリリースは出していたものの、月に1~2本、お知らせ程度の発信にとどまっていました。
ー『第29期 広報担当者養成講座』を受講した経緯は。
社内に広報業務を理解している人がいなかったため、教わることができなかったことが理由です。他社のプレスリリースの1日講座を受講したのですが、理解が深まるまでには至りませんでした。もっと体系的に広報を学びたいと思い、また部内の何人かの社員が宣伝会議の講座を受講していたことにも背中を押されました。
ー講座で学んで印象に残っていることを教えてください。
広報の「こ」の字もわからない状態で受講を開始しました。そのためプレスリリースもほとんど書いた経験がなく、講座で学ぶことすべてが新鮮でした。まず、第1回で広報業務の基礎を学んで、『広告と広報の違い』が何かイメージがしやすくなりました。それから『プレスリリース作成方法』や『ニュースバリューの活用方法』を学んだことで、内容が入ってきやすかったです。
プレスリリース作成の課題では、講師の講評を聞いて、自分の実力不足を感じました。いっぽうで、他の受講者が作ったリリースの講評を聞けたことも参考になりました。
以前の体制では、事業部からプレスリリースの原稿をもらって公開するだけでしたが、原稿を書くところから担当するようになりました。
ー講義での学びから、具体的に実践したことはありますか。
講義の資料と自身のメモとにらめっこしながら、試行錯誤のリリース作成の日々が続きました。まずはリリース100本ノックのような感覚で、とにかく数を打つことを意識し、多い月では10本以上のリリースを配信しました。その中で、段々と1本の記事を書くペースも早くなり、タイトルのつけ方や伝えたいことの端的なまとめ方も分かるようになりました。
また、配信時についても、これまでポータルサイトで更新するだけでしたが、A4 1枚のリリースのフォーマットを作って公開し、記者の方が印刷しやすくなるようにPDFを掲載するなど工夫を凝らしました。
ー実践したことでどんな成果を得られましたか。
まず、リリース配信サイトのPV数において、以前と比較して平均で2倍以上見られるようになりました。
記事を出してすぐにテレビ局の方から「クイズ番組の問題に使いたいのですが」や「お天気番組に記事を使わせてほしい」と連絡があったり、リリースと直接関係はなかったものの「3月29日はサニクリーンの日だと紹介したい」と週刊誌から連絡が来たり、今までなかった問い合わせが来るようになりました。これまでとは違った形でサニクリーンを知ってくださる方が増え、以前より確実に自社のニュースが世の中に届いていることを実感しています。
ーその他の活動や成果についても教えてください。
以前はメディアリストを持っていませんでしたが、講義で学んだように、配信するリリースと親和性の高そうな新聞や雑誌をインターネットで検索し、直接リリースを送付することにもチャレンジしました。コロナ禍の除菌にテーマを絞って、飲食関連やホテル関連のメディア中心にアプローチしました。結果として、月刊ホテルレストラン、高齢者住宅新聞といった専門紙で、取材と露出を獲得することができました。
このように思った以上の広報成果が出たことで、モチベーションアップになりましたし、プレスリリースを書くことが楽しくなりました。
ー社内ではどんな反響がありましたか。
他部署の社員から「プレスリリースを公開したら、すぐに電話が来たよ!これまでと反応が全然違うんだよ」と感謝されました。それからは、リリース作成の依頼をもらったら、2時間以内でつくることを心がけています。いつも「もう書いてくれたの!?」と驚かれます。半期に1回ある評価面談でも、リリース発信をはじめ、同じく講義で学んだことを生かしたSNSのリニューアルも評価されています。
ー広報担当者としてこれから実践していきたいことは。
コロナ禍で、衛生管理に注目が集まっている今、「衛生管理といえばサニクリーン」という第一想起を高める広報をしていきたいです。また、テレビメディアへの露出など、1年目の広報でチャレンジしなかったメディアへのアプローチや露出を増やしていきたいです。こうした成果を積み重ねて、今は販売促進室のひとり広報担当者ですが、広報活動がいっそう社内で認められることで、広報部を立ち上げたいと思います。
広報の考え方を体系的に習得するため、目﨑氏が活用したのは……
「広報担当者養成講座」でした。
広報業務の重要性が高まる一方で、業務の基本、また新常態で広報がカバーする分野を実務に活かせるレベルまでを学ぶ機会は少ないものです。
本講座は、広報に求められる資質、社内情報が集まる仕組み、報道関係者への対応など広報が身につけておきたい基本を全10回でマスターできるカリキュラムとなっています。
<次回の開催日程 〔オンライン開講〕>
■講義日程
第32期 2021年5月28日(金)開催
■受講定員
60名を予定
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お問い合わせ
株式会社宣伝会議 教育事業部
MAIL:info-educ@sendenkaigi.co.jp