P&Gプレステージがこのほど配信を始めた動画「SK-II STUDIO: センターレーン 池江璃花子」の再生回数が、配信2週間で1300万回を超えた。広告会社はグレイワールドワイドで、演出は映画監督の是枝裕和氏が担当。競泳の池江璃花子選手の、闘病から復活までの姿を描いている。
同社は〈フィルムスタジオ〉として立ち上げた「SK-II STUDIO」のレーベルで、同様の映像作品を2021年内に8本公開予定。「SK-II STUDIO」は、数年来掲げるブランドパーパス(存在価値)である「運命を、変えよう。 #CHANGEDESTINY」に基づいたコンテンツを継続的に発信するための枠組み。
「ブランドパーパスに則ったコンテンツを制作することはいまや珍しいことではありませんが、『SK-II STUDIO』のように継続的にブランドの考えを世の中に発信する枠組みはとても新しい試みだと思います」と話すのは、グレイワールドワイドの三谷健氏だ。同氏はクリエイティブ・ディレクターとして「SK-II STUDIO」に参画する。
三谷氏は、今作の反響について、「広告を邪魔だと感じる消費者に振り向いてもらう上で、プッシュ型ではなく、本当の意味でのプル型のコンテンツをつくることはとても効果があります」と話す。
「企業が単純に物を作り、売ればいいという時代は終わりつつあると思います。企業が商品や活動を通して、社会や環境にポジティブな影響を与えることを消費者は求めています。ただ、企業のミッションを一方的に伝えることでは、共感や態度変容は生まれません。消費者の態度変容を起こすために、既存の広告の枠を超えた発想やクリエイティビティが、今後ますます強く求められていくと思います」(三谷氏)
「SK-II STUDIO」が制作するような、企業や商品ブランドが制作・プロデュースするエンターテインメント・コンテンツ〈ブランデッド・エンターテインメント〉は、2001年にBMWがインターネットで配信した「BMW Films」シリーズが草分け。同シリーズには、ガイ・リッチー氏やトニー・スコット氏、ジョン・フランケンハイマー氏、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏などが監督として名を連ねている。また、2019年にはカンヌ国際映画祭でジョンソン・エンド・ジョンソンのブランデッド・エンターテインメント『5B』が上映されている。
スタッフクレジット
- Lead Agency
- Grey World Wide
- Partners
- HUGE, Mediacom, Hogarth Worldwide, VaynerMedia
- Client
- SK-II
Lead Agency Team
- Executive Creative Director
- Drew Graham
- Executive Creative Business Director
- Siddika Dehlvi
- Executive Creative Producer
- サン・タカシマ
- Executive Creative Media Director
- Nihar Das
- Creative Director
- 三谷 健, Sudhir Pasumarty, Ashley Chen
- Creative Strategist & Copywriter
- Katie Mulligan
- Art Director
- Amanda Ang
- Copywriter
- 工藤 優太
- Copywriter
- 阿南 由貴佳
- Senior Agency Producer
- 芥川 尚子
- Client Director
- Sue-Ann De Cruz
- Sr Account Executive
- アイリス・グ
- Sr Integration Lead
- Nathan Wilson
- Media Director
- Prajat Khare
- Production Company
- 株式会社ブルーワン/株式会社エネット
- Director
- 是枝 裕和
- Associate Director
- 富樫 渉
- Producer
- 森田 直樹, 北原 栄治, 川澄 享, 中島 悠太
- Production Manager
- 殿村 晋作, ラビンコ・タリア
- Director of Photography
- 近藤 龍人
- Lighting Director
- 尾下 栄治
- Animation
- 平岡 政展
- Music
- 小瀬村 晶
- Stylist
- 小野 和美
- Hair&Make-Up Artist
- 稲垣 亮弐, 高城 裕子
- Print Producer
- 松田 祐子
- Casting
- 鈴木 長英