全日本広告連盟は4月21日、第15回「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞」に新潟日報社による「『にいがた 希望の花火』打ち上げプロジェクト」が、同 選考委員会特別賞に山陰中央新報社による「Think local.」が選出されたと発表した。
また、同日発表された第15回「全広連鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」の最優秀賞には、島根県の新聞広告「早く会いたいけん、今は帰らんでいいけんね。早く会いたいけぇ、今は帰らんでいいけぇね。」(山陰広告協会推薦)が選ばれている。
第15回 全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞
「『にいがた 希望の花火』打ち上げプロジェクト」(新潟日報社)
コロナ禍を背景に、新潟日報社が20年7月から企画をスタートした、県内7カ所をリレーして花火を打ち上げるプロジェクト。協賛81社に加え、新潟県や花火打ち上げ会場の自治体、花火関係者の協力を得て同9月に実施された。打ち上げ当日は、YouTubeとケーブルテレビでライブ配信番組を放映し、県内外に向けて「希望の花火」を発信した。
打ち上げ後はプロジェクトへの協力の御礼として、「希望の花火」ラッピング紙面や報告紙面を掲載。コロナ禍で苦しむ県民に元気を与えるため、地元新聞社にできることを考え、具現化した実行力と、新聞、動画、リアルな花火を統合した立体的なキャンペーン設計が高く評価された。
同 選考委員会特別賞
「Think local.」(山陰中央新報社)
全国に先駆けて人口減少が進む島根県から地方の可能性を探る企画「Think local.」。山陰中央新報社によるもので、新聞紙面で紹介するとともに、Webサイト「Think local.」を開設し、紙面で紹介しきれなかった内容や写真、取材の様子を収めた動画を全国に展開した。
地元新聞社として地域課題に丁寧に取り組み、取材を重ねて深掘りしていく手法は新聞の強みを大いに生かしたものだと評価された。また山陰地域の雰囲気が伝わる紙面ビジュアルのクオリティの高さも受賞の大きな理由だという。
第15回 全広連鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞 最優秀賞
「早く会いたいけん、今は帰らんでいいけんね。早く会いたいけぇ、今は帰らんでいいけぇね。」(島根県)
16の広告協会より応募のあった全33作品の中から選ばれた本作。新型コロナ感染拡大防止に向けて、昨春の大型連休期間中に、離れて暮らす家族や友人、恋人などに帰省自粛を呼び掛ける広告として、山陰中央新報本紙の島根県内の東部・出雲地域向けと西部・石見地域向けの版に、それぞれの方言メッセージが掲載された。
手書きのシンプルなメッセージは紙面で温かみを生み、新聞媒体でなくてはできなかったクリエイティブであること、またコロナ禍で止められた地域間交流がクリエイティブの力で打開されたという点が大きく評価された。
受賞作品は、5月20日の第69回全日本広告連盟山陰大会式典の席上で贈賞される予定。
全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞・同 クリエイティブ大賞は、全広連三代目理事長・鈴木三郎助氏からの寄付金を基に2007年度より実施。地域の活性化に貢献した優れた広告キャンペーンやクリエイティブを顕彰している。