彼女のおかげで梅干しのおいしさに覚醒
澤本:日本料理は、2人とも好きなんですか。
ペッペ:そうですね。彼女の方が料理は得意です。僕はそれまであんまり日本の料理を深くまで味わっていなくて。梅干もあんまり食べてなかったんですよ。
付き合ってしばらく経って、料理をつくってくれたときに梅干しが出された。「僕、梅干しは好きじゃない」って言ったら「食べてみて」って言われて。初めて1個食べたときは、背中のどこか悪いところが「痛い!!」っていうぐらいの表情をして。でも、食べ続けたらどんどんおいしくなって、「もう1個食べよう、もう1個食べよう」って。最初のひどい表情もどんどん無くなって、今は梅干し大好きです。彼女は日本の食べ物の文化を教えてくれるからすごくありがたいんですよ。
澤本:梅干しのほかには日本食で何が好きなんですか?
ペッペ:すごく単純だけど、寿司だね。寿司と刺身。もっとカッコいい答え方をしたいんだけどね。今まで聞いた中で1番カッコいい答えは、米。
一同:(爆笑)。
ペッペ:僕もそうやって答えたいけど嘘になるから。やっぱり寿司がいいね。間違いないね。
権八:イタリアンと和食だったら、イタリアンの方が好き?
ペッペ:うーん。イタリアンだね。申し訳ないんだけど(笑)。
中村:僕らは基本的に毎日お米食べてるけど、イタリア人は毎日パン食べてるの?
ペッペ:そうそう、パンがメインで、米はリゾットのときに食べるね。
中村:毎日ピザやパスタを食べてるわけじゃないんだ。
ペッペ:毎日パンやパスタを食べることはあるけど、毎日ピザはあまりないです。ピザはなかなか家でつくれないから。ピザはピッツェリアっていうレストランに食べに行く。安いし、1週間に2、3回ぐらい行くかな。
中村:ペッペさんのご出身のアブルッツォ州は、ナポリのすぐ近くだそう。ナポリといえばピッツァっていうイメージですよね。
ペッペ:合ってる合ってる。
権八:日本のナポリピッツァも「おいしいな」って思いながら僕ら食べてるんだけど、違いますか?
ペッペ:違いますね。
中村:そうなんだ!まだあれよりうまいんだ。
ペッペ:食材が違うから。おいしいモッツァレラチーズやトマトはナポリでしかとれないんですよ。日本人のシェフはイタリアまで行って一生懸命修行しても、ミシュランの星とるぐらいのうまいシェフだったとしても、食材がないとそんなにおいしくならないんですよ。
権八:その差はチーズなんだ。
ペッペ:そう。チーズとあとトマトね。トマトが全然違うんですよ。
中村:フランス行っても、トマトも何種類もあっておいしいんですよね。
ペッペ:そうそう。
権八:それは意外とショックだな。
権八:よくね、日本のナポリピッツァのシェフで「世界一獲った」とか言うよね。
ペッペ:それはなんのビジネスかはわからないね(笑)。
一同:(爆笑)。