『ドラゴンボール』で友達をつくって、『らんま1/2』で男になった(ゲスト:ペッペ)【後編】

日本人女性と長続きしないのは「パッションの強さ」の違い

中村:漫画家としてデビュー作となった『ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ』。これはどのような漫画なのか教えてください。

ペッペ:簡単に言うと、僕が日本に初めてやってきたときのストーリーを、フィクションで描きました。初めて日本にやって来た外国人の目線から見た日本の日常と、日本人とのラブストーリー。外国人が一体どんなふうに日本で生活してるのかとか、日本のことどう思っているのかとか、日本人との恋愛はどこが難しいのかとか、笑いながら読めるようなコメディー漫画を描いてみました。

中村:タイトルの通り、モテるとかモテないとかそういう話も多い?

ペッペ:多いですね。

権八:漫画を描いているときは、実際ガールフレンドはいたの?

ペッペ:そのときは、僕も初めて日本にやって来たときだから彼女はいなかったし、あんまり日本人にモテなかった。ミンゴは5年前の僕みたいなキャラクターだね。

中村:ちなみに、日本人で付き合った女性はいるんですか?

ペッペ:付き合ったけどね、1カ月くらいかな。すぐ別れちゃうね。

澤本:何が違うんだろう?

ペッペ:なんだろうね…。いろいろ考えたけど、やっぱりイタリア人じゃないと合わないのかも。僕はすごく、愛する事が好きと言うか、愛することをすごく大事にしてるんですよ。だから付き合うなら、ちゃんと深くまで愛したいんですよ。イタリア人だったらもちろん言葉の壁も文化の壁もない。同じ国で育った人なら、言いたいことが何も言わなくてもすぐ深くまで理解できる。それが僕にとってすごく大事だね、人間関係では。

中村:共感というやつですね。僕らから見たら日本人女性も深く愛を持っている人も多いと思うんですよね。どういうところですれ違っちゃうんだろう?「ああ、違うな」って思うのは?

中村:パッションが無いのかな?「好きです、愛している」って言うのに。

ペッペ:そうかもね、パッションかもね。逆に、そのパッションがしつこいって思わせるのかもしれない。イタリア人はやりすぎるから。

澤本:イタリア人の方がパッション持って言いすぎるから「しつこい」って思われちゃう?

ペッペ:多分ね。僕はそういう経験もある。日本人は“あいまい”が好きじゃない?僕は“あいまい”ができないからね。ストレートすぎるのは、結局ケンカになる。失礼なことを言ってしまったり。

中村:わかるわかる。

中村:『ミンゴ』はもう完結したの?

ペッペ:終わりました。

中村:じゃあ今は、次回作の案を練ってるの?

ペッペ:ちょうど今、いっぱい本を読んで準備してる。

澤本:それはいつから始まるの?

ペッペ:まだわからないんだけど、今回は週刊か月刊かは最初から決めていない。担当さんと相談して、今回はネームを1話から最終話まで全部描いて、全部OKもらってから描きましょう、という感じ。だから1冊か2冊しか出さない。短い連載が好きだからね。

中村:短編も名作たくさんありますもんね。

ペッペ:そう。今回の作品は『ミンゴ』をもちろん超えたいし、僕のことを知らない人が読んでも「すごいな」って思わせたい。あと、日本だけじゃなくて国際レベルで認められたい。アーティストとしてステップアップしたいから、すごくいっぱい勉強してるんですよ。日本語だけじゃなくてストーリーについても。

中村:今どんなストーリーの構想があるんですか?

ペッペ:まだ決めてないから話せないけど、もちろん、また日本とイタリアについてのお話なんですよ。それは僕が得意なところだし、僕しか描けないから。両方の文化を今勉強しています。まだ誰もわからない、日本とイタリアの深い文化をうまく合わせて、この作品でイタリアと日本の繋がりが強くできたら。規模が大きい、すごい傑作を目指してるんですよ。

次ページ 「『ドラゴンボール』のおかげで友達もできた!」へ続く

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