勝てるチームになれず、コンペに敗北した話

【前回コラム】「自分たちにだけ都合のいい提案でコンペに敗北した話」はこちら

サッカーなどのチームスポーツでは、選手構成が大きく変化していなくても、監督が交代するだけで成績が急に上下することがあります。あるいは選手個人で見ても、あるチームでパッとしなかった選手が、別のチームに移籍したとたんに活躍しだすことがあります。チームのパフォーマンスは単に個々人の能力だけでは測れないものがありそうですね。

勝てるチームになることは決して簡単ではない。

競合コンペを含めクライアント対応の業務も、チームプレーが多いかと思います。社内外の様々なスタッフが集まり、それぞれの能力・役割を合わせて、チームとしてひとつのゴールを目指すのです。

我々が競合コンペに参加する際、その都度最高のチームを結成することは容易ではありません。いいメンバーを集めようとするものの、人気スタッフはいつも忙しそう。そこで、以前コンペに参加した人を何となくそのまま起用する、とりあえず声を掛けやすそうな人を呼ぶ、スケジュールの空いている人を集める…などに落ち着くことも多く、ベストな布陣はなかなか敷けないものです。

ただ、人をたくさん投入すればいいというものでもありませんし、優秀と思われるスタッフを参画させればコンペに勝てる、という単純な話でもありません。スタッフ同士の相性も意外と難しいものです。

それから、役割の問題。主導権を握ろうとする人が多いとややこしくなりますし、逆にリーダーを担える人が不在でも困ります。様々な部門の人が集まる場合も、それぞれの役割を尊重しながら、誰かがリーダーシップを発揮しないと、軸がブレて話が前に進みません。

そして、競合コンペで敗戦が続いている場合も悩ましいですね。例えばサッカーの世界でも連敗があまりにも続くと監督を代えてドラスティックにチームを鼓舞することがありますが、我々の世界でも、クリエイティブディレクターを代えるとか、新たな助っ人スタッフを迎え入れるとか、全チームメンバーを刷新するとか、勝つためのチームづくりをアレコレ模索します。

次ページ 「勝ちたいのに、実績のない急造チームで勝負に出る」へ続く

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生駒達也( コピーライター/プランナー)
生駒達也( コピーライター/プランナー)

広告代理店にてコピーライターを経てクリエイティブディレクターに。これまでメーカー、インフラ、通販、自治体など様々なクライアントを担当。日経広告賞、ACC賞、毎日広告デザイン賞、TCC新人賞、ニューヨークフェスティバルなど広告賞各種受賞。近年は、従来からの広告クリエイティブにとどまらず、企業のコミュニケーション活動全般に携わる。今春フリーランスとなり、“あなたを応援する仲間でありたい”をコンセプトに「オーエンカンパニー」を立ち上げ。

生駒達也( コピーライター/プランナー)

広告代理店にてコピーライターを経てクリエイティブディレクターに。これまでメーカー、インフラ、通販、自治体など様々なクライアントを担当。日経広告賞、ACC賞、毎日広告デザイン賞、TCC新人賞、ニューヨークフェスティバルなど広告賞各種受賞。近年は、従来からの広告クリエイティブにとどまらず、企業のコミュニケーション活動全般に携わる。今春フリーランスとなり、“あなたを応援する仲間でありたい”をコンセプトに「オーエンカンパニー」を立ち上げ。

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