メディアに取り上げてもらう企画のコツは“逆算設計”|販促コンペ・お悩み相談室①

Q 企画にリアリティを持たせるには?

A “事実”の受け皿をしっかりと用意して。

リアリティは企画における最重要項目です。というのも、どんなに魅力的なプロモーションやブランドメッセージを打ち出しても、実際の事業や企業活動が伴っていなければなりません。いまは透明性がブランドの棄損につながる時代だからです。つまり、実態のないことが消費者に伝わると、「口先だけの会社」というイメージを持たれてしまう。

そこで私が大切にしているのは、クライアントと一緒に事実を構築すること。企画を通して「差別や格差のない社会をつくる」というブランドメッセージを伝えたいなら、社内のダイバーシティを推進すること。インパクトのあるコピーで注目を集めたいなら、きちんとコピーの意図を体現した会社になること。

注目された後にある事実の受け皿をしっかりと用意しておくことが、リアリティのある企画を生み出します。

Q 「ブランドらしさ」のある企画にするには?

A 〈人格〉を的確に捉え、企画に反映して。

「このブランドなら、こういうことをやりそうだよね、言いそうだよね」と消費者に思ってもらえることが、ブランドらしさだと考えています。人それぞれに、その人らしさを感じさせる行動の傾向があるように、ブランドにも〈人格〉があるのです。ブランドらしさのある企画にするには、その〈人格〉を的確に捉え、企画に反映されているか、最初から最後まで何度も確認しながら進めるしかありません。

競合のA社でもB社でもなく、このブランドだからこそできる企画なのかを常に考え、プランニングする必要があります。ただ、生まれたばかりの赤ちゃんに人格を感じづらいように、ブランドの人格も一朝一夕でできるものではありません。なにより、企画自体もブランドの〈人格〉を構築する要素。一貫性がなかったり、まとまりのないことをしていたりすると、人格が形成されません。

Q ニュースバリューを判断する「目」を養うには?

A メディアで話題のカテゴリーやキーワードをストックする。

かつてはメディアに取り上げられると商品が売れる流れが主でしたが、いまは商品がネットで話題になるとメディアに取り上げられる、という順序になりました。メディアに取り上げられることが過程でなくゴールになって、本来ゴールだった世の中での流行が過程になっているのです。ということは、いまメディアで話題になっているカテゴリーやキーワードは、すでに流行ったもの。それをきちんと記録するなどしてストックしておきましょう。

それを自分が担当する商材と組み合わせてみて、流行る兆しを感じたら、消費者にソーシャルメディアで語ってもらえるようなコミュニケーションを設計する。こうしてメディアにアプローチする段階で、すでに世間で話題になっている状況を作ることができれば、それは十分ニュースバリューのある企画と言えるでしょう。

Q 社会や時代の大きな流れをつかむには?

A 多様な人の話を聞いて、広い分野の本を読む。

経営者や新しい時代を拓こうとしている人たちと、積極的にコミュニケーションをとってみてください。経営者と言うと年齢層の高い人を想像してしまいますが、社会を変えていこうと働きかけている人ならば、年齢は関係ないと思います。

日々、社会や時代の流れを考えて生活している人たちと会話ができる場にどんどん足を運んでください。そういった人たちと対等にディスカッションするには、皆さんも次の時代がどうなるか、普段から考える必要があります。

自分と異質な人とかかわり、多様な人の話を聞いて、広い分野の本を読む。そして自分なりの見解や目算を持って、経営者とディスカッションして、それに対する意見をもらう。そのくり返しが、時代を見通す力を育んでいきます。未知を恐れず、勇敢に世界を広げていってください。応援しています。

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