docomoデータの活用で来店者を広く深く可視化
——今回の取り組みについて教えてください。
田中:松屋フーズでは昨年11月~12月、LIVE BOARD社のDOOHを活用し、新メニュー訴求に向けた「dポイント還元キャンペーン」を実施しました。今まで、ポスターやチラシなど紙媒体やバナー広告での店舗集客は実施していましたが、DOOHを活用するのは初めてでした。
古池:本施策では、昨年8月にローンチした「docomo data square™(dds)」というオンオフ統合分析基盤を活用しました。ddsは、TVCMやWeb広告、そしてDOOHの接触から購買までの効果計測が可能です。3メディアを統合し、分析できるデータ基盤はなかったのですが、NTTドコモ、電通、ジョイントベンチャーであるD2Cとも連携をしてID単位での効果検証が可能になったことが非常にユニークなポイントです。今回はDOOHとメッセージSというメール広告を活用し、店舗集客を目的とした施策を展開しました。
田中:コロナ禍で人の動きが大きく変わったと言われますが実際、どのように変化しているのかを把握ができるのは良い機会だと考え、実施に至りました。
「世の中ゴト化」効果で新規層の来店に寄与
——実際にどのような効果がありましたか?
中宗:DOOHは、松屋の店舗周辺にしぼり、メッセージSでは「飲食関心層」「d払い®利用層」をターゲティングして配信しました。結果的に、DOOHは関東エリアのみでの展開でしたが、対象エリアの総人口の13.1%にリーチしました。
古池:DOOHで店舗付近でのリマインド効果を狙い、更にターゲティングしたメール広告と組み合わせたことで、来店率が大きく向上しました。
また、来店者の属性を分析すると、「専業主婦」や「学生」に広告が効いているという発見がありました。新規層の集客につながったことは、DOOH活用によるメリットだと考えます。
中宗:当社のDOOHは若年層の視認率が高いメディアで、今までOOHのなかった住宅街などにも設置されているため、さまざまな生活者の目に触れると考えています。今回の施策では、OOHの強みでもある強制視認性や公共性による「世の中ゴト化」効果で広い層にリーチし、そこからターゲティング広告による「自分ゴト化」へつながったことで、興味関心の低かった層にも広告が深く刺さり、新規層の来店につながったと考えています。
田中:広告主企業共通の課題だと思いますが、「本当に広告って効果があるの?」という問いに対し、ここまで広告効果や来店者の特徴が明らかになることに驚きました。今まで経験や勘に頼っていた部分が可視化できたことで、ある種、答え合わせのようになった点と、次の施策につながる新しい発見もありました。
例えば「学生」は、オンラインでの授業や講義が当たり前になり、学生街には学生がいなくなったと考えています。それにも関わらず、今回期待するリーチが確保できました。思い込みではなくデータをもとに、次のプランニングに活かしていける点は魅力ですね。
古池:d払い®の購買データを掛け合わせて分析することで、属性ごとの来店時間帯・来店頻度・購買単価なども検証しました。今回の分析結果をもとに、来店頻度の低い顧客には、連続来店をすることでクーポンを配信、購買単価の低い時間帯には「おすすめのトッピング」を訴求するなど、顧客の体験価値向上につながる販促戦略をご提案したいと考えています。
中宗:LIVE BOARDであれば、時間帯や場所ごとなどの条件でクリエイティブの出し分けや、天候や気温など外部の情報と連携し、状況に応じて最適な広告配信をするダイナミック配信もできるため、その戦略に沿った広告展開も容易です。
図表1 キャンペーンの概要
個店の集客にも活用できるDOOHは新しい「販促メディア」
——今後の展開について教えてください。
田中:ここまで、さまざまな情報がデータから明らかになると次の打ち手へつなげやすいので、今回の結果から、ターゲティングの精度をより高めていくなど、PDCAを回していきたいと思います。
中宗:当社ではいま、コロナ禍での人の動きの分析、可視化を進めていますので、ターゲットを設定いただければ、そのターゲットの移動ルートにあるDOOHへ広告を配信し、来店促進を狙うことも可能です。
例えば、新店舗オープンの際には、店舗の周辺にあるDOOHのみに広告を配信し、その1店舗のみの来店促進を行うこともできます。我々はLIVE BOARDのDOOHを新しい「販促メディア」と位置付けています。それは「細やかなクリエイティブの出し分け」や「docomoデータを活用したプラニング、効果検証」により可能になりました。LIVE BOARDは、これからもクライアントさまの課題解決のために成長してまいります。
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株式会社 LIVE BOARD
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