大物が語る極論、そこに価値を見出すまで掘り下げるのが仕事
中村:「マネ凸(トツ)」という「新R25」の人気連載が書籍化されているじゃないですか。これはどんな企画だったんですか?
渡辺:「マネ凸」は我々の筆頭連載のような存在で、聞きづらいお金のことを僕たちが代表して聞くというコンテンツです。お金の価値観って、深堀りしていくだんだん人生観になってくるんですよね。この連載で、尖りから入って壮大な話に展開していくっていう、新R25人気コンテンツの鉄板の流れができたんです。リアルなお金事情は語っていただけないことも多かったですけど、そうそうたる方々が登場してくれています。前澤友作さん(スタートトゥデイ代表取締役社長)の記事もすごいバズりました。
権八:前澤さんにも取材したんだ。
渡辺:「お金はどうやったら増えるんですか」というのがこの連載の大きなテーマなんですが、前澤さんは「お金を増やしたければ、とにかく使いまくれ」っていう理論でした。
権八:若いサラリーマンやビジネスマンはみんな気になるよね。でも「お金使え」って言われてもね…。堀江さんも「貯金なんか絶対するな」とか言うんだけどなかなかできなくないですか?
中村:なかなかできないし、前澤さんは自他ともに認める「お金贈りおじさん」になってるからね。「どういう気持ちでやってるの?」って聞いてみたいけどね。
渡辺:そういう極論に対して、「いやでも」「とはいえ」って投げかけるのが我々の役割なんですよね。堀江さんの「お金は残すな」理論も、「堀江さんだから言えるんじゃん」っていう話もあるんですけど、さらに深掘りして聞いていくと「俺も起業したときは全くお金無かったけど、借りてやってたよ」っていう話が出てきて。「そっか」ってしぶしぶ納得して帰るっていうパターン。「ここからだったら始められるんじゃないですか」っていう落としどころを見つけて、極論を極論で終わらせないように頑張っています。
権八:堀江さん、話聞くとピュアなんですよね。「やりたいこと、面白いことをやるだけなんだ」っていう。
渡辺:そういった極論にも思える内容を伝えることがメディアとして正しいのか、一時期悩んだんですよ。だけど、今は極論って大事だなと思っていて。そういった主張を「これはこうである、でもこの場合はこうである、この場合はこうである…」ってすごい丁寧に伝えようとすると、正しいかもしれないけど誰にも届かないコンテンツになっちゃうんですよね。それなら、ちょっとでも誰かの刺激になって、何か行動を起こしてもらえるコンテンツの方が価値があるなと思い直したんです。
権八:極論って、つまり非常識なわけじゃないですか。それを「この場合は…」って場合分けして、丁寧に丸くしていくと、どんどん常識になっていくということですよね。
渡辺:そうですね。新R25は行動する人、チャレンジする人をたくさん生み出したいという思いで運営しているので、「極論にも価値がある」と思ってます。
権八:すごい真面目なんですね。
中村:わはは!
渡辺:実は真面目なんですよ(笑)。真面目にふざけたコンテンツをつくってますね。
権八:そうだったんですね。もっとふざけた人なのかと思ってた(笑)。
渡辺:その場に行ってスイッチ入れてふざけてますね(笑)。
権八:キングコング・西野亮廣くんにも取材行ったんですか。
渡辺:西野さんにもよく取材してます。今YouTubeでコーナーを持ってもらってます。西野さんはすごくいい人だし、対応も丁寧。でももちろん狂気性がある。