他のメディアにはないOOHが持つ3つの特性
OOHが持つ価値は大きく3つあります。ひとつめは、強制視認性です。生活者の意思で表示/非表示、読む/読まない、をコントロールできるテレビや新聞・雑誌、オンラインとは異なり、OOHは街中で目にしてしまうメディアであり、オプトアウトできない特性を持っています。
2つめが、「ブロードリーチ(幅広い層へのリーチ)」です。老若男女問わず、人は睡眠時間を除いた1日の3分の1は外出していると言われています。1週間に1回以上OOHに接触する人の割合は9割以上とも言われており、日本ではテレビに次ぐブロードリーチを持っています。人々の生活動線上に設置されており、強制視認性もあることから、他のメディアではリーチできない層にもリーチが可能です。
最後に、公共性の高さです。誰もが目にする場所にあるということから、媒体設置には自治体の厳しい審査もあり、広告掲載にも高い基準を設定しています。さらにアドフラウドもなく、ビューアビリティの保証もあるため、まさに「信頼のメディア」ということが言えます。
コロナ禍によって、広告主側は今まで以上に出稿するメディア価値に対して厳しい目を向けるようになってきています。OOHも例外ではなく、他のメディアと比較可能な同じ価値基準を示すことが重要だと考えています。そこで当社では、いま広告主が求めるメディアの選定基準を「3A基準」と定義し、この基準を満たすOOHを提供しています。3AとはAccountable(広告価値がわかる)、Addressable(最適な枠を必要なタイミングで買える)、Attributable(広告効果がわかる)です。
渋谷は若者、表参道はファッションといったようにエリアイメージによる曖昧かつ定性的な基準ではなく、これからは広告を何人(リーチ)が何回(フリーケンシー)見たかがわかるといった、他の媒体と比較が可能で定量的な指標を明示することに価値があります。また広告がどれだけ売上に影響したのかを求められるマーケティング部に対するプレッシャーもどんどん増していますので、メディア側も広告効果をより精緻に証明していく必要があります。
海外の動向をみてみると、GAFAのようなデジタルの先進企業によるOOHの活用がすでに盛んになっています。これは、先に述べたOOHの特性を踏まえ、進化した「効果測定のわかるOOH」がすでに浸透しているという背景があるからです。
OOHがいまでも街中に溢れているのは、本来そのフォーマットが持つパワフルな力があるからです。だからこそ、その価値を示すためには業界全体で3A基準を満たせるようにしていかなければなりません。今年3月1日に、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムから「オーディエンスメジャメントガイドライン(第1版)」がリリースされました。多くの企業がこの策定に参加しており、OOH指標の標準化に対する動きが進んでいることを広告主には認識していただきたいです。
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神内 一郎 氏
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