グランプリ受賞者が「販促コンペ」に取り組んだワケ

企画書10枚で伝える難しさ

—応募する課題はどのように決めましたか?また、課題を決める際に重要なことがあれば教えてください。

藤巻:最初は、出されている26課題全てに取り組もうと思い、フラッシュアイデアを出していましたが、2カ月という応募期間で企画書をブラッシュアップさせていくことを考え、最終的に手応えのありそうな7課題に集中して取り組みました。

私は全課題分を視聴しましたが、課題に取り組む上で、オリエンテーション動画は必ず見るべきだと思います。協賛企業が重視したい部分が、熱量として伝わってくるので、アイデアを考える上では、かなり重要でした。また、オリエンから、その企業の社風や、求めているアイデアのテイストも伝わってくるので、真面目なものがよいのか、ユニークなものがよいのかも理解することができました。そういう空気感は、なかなか資料だけでは伝わってきません。

—アイデアを考える際にはどのような点で苦労しましたか?

藤巻:アイデアを考える際に、もっとも時間をかけて練ったのが企画書のアウトプットの部分です。普段クライアントへ提案する資料は、インサイトなどを具体的に説明していくので、40、50枚は普通にあります。ですが、販促コンペは10枚で伝えなければいけないので、どのような要素を入れるかは試行錯誤しました。

企画書を見た人に分かりやすく伝えつつ、わくわくしてもらう流れをどうつくればいいか、先には行きすぎず、冗長にならないことを意識しました。グランプリを受賞したアイデアに関しては、フラッシュアイデアの時点からコアアイデアが変わっていないので、応募期間のうち残り1カ月間は企画書をブラッシュアップする時間に当てることができました。

特に「キャッツアイセイケース」は、私だけでは、グランプリは獲れなかったと思います。プロダクトのデザインや企画書のデザインを菅原さんに頼んでこそ受賞できたものだと思います。猫の形になったのも菅原さんのアイデアです。

菅原:もともとあった光るコンタクトケースの「光る」という部分に着目したときに、コンタクト=目が光るのは「猫」だと思い、プロダクトに落とし込みました。

—グランプリ受賞後にあった反響や変化について教えてください。

藤巻:グランプリ受賞の実績を会社に伝えたところ、プランナーにしてもらえたというのが一番大きな変化です。私は応募時が26歳でいま27歳なんですが、受賞がなければ、30歳半ばでプランナーになり、さらにそこから実績をつくるということになるので、販促コンペのおかげでその段階を一気に飛ばして、大躍進できました。

グランプリ受賞の実績でプランナー職のポジションを与えてくれた会社の判断も嬉しかったですし、販促コンペのグランプリ受賞の影響力の大きさも感じました。

菅原:私も藤巻さんも、受賞後2、3カ月は、いくところいくところで、これでもかというぐらいに、グランプリ受賞を祝っていただけました。広告系とは関係ない人たちにも知っていただいていたり、業界問わず、販促コンペの影響力の強さを痛感しました。

藤巻:大変ありがたいことに、プランナーになった後も、仕事もたくさんいただいており、忙しくさせていただいてます。

“今”を変えたい人にオススメ

—最後に販促コンペ応募者へのメッセージをお願いします。

藤巻:分かりやすく実績にもつながるので、自分の“今”を変えたい人はチャレンジした方がいいと思います。あとは、単純に関わっている案件のクオリティもあがりますし、自分の視座もあがるので、企画の考え方も変わりますね。

菅原:私からは、デザイナーの立場の人に向けてですが、プランナーが出した企画の過程を見るいい機会になると思います。また、プランナーが出した企画の意図を最も理解し、より企画の魅力が生きる資料づくりやアートワークをどこまで引き出せるか、自分の力を試せる場になります。

今回、販促コンペのメインビジュアルのデザインを担当させていただきましたが、誰しもが持つ、自分自身のまだ知らない“才能”が解き放たれる瞬間を、重力から解き放たれたような浮遊感のあるビジュアルで表現しました。コンペに挑戦するみなさんに、その瞬間の感覚を味わってほしいと思います。

菅原氏がデザインした今回の「販促コンペ」メインビジュアル。

 

藤巻さん、菅原さんに聞いた 「販促コンペ」オススメの取り組み方

応募の有無関係なく、まずは「全部の課題のアイデアを考えること」です。アイデアを考える上で、自分が思いつかなかったことや悩んだことを覚えておき、最後に受賞作品を見ることで、課題の乗り越え方のフィードバックを受賞作から受け取れますし、それだけで力が付くと思います(藤巻さん)。

リアルな課題が企業からもらえることも重要だと思います。クライアントワーク以外でそのような場はありませんし、普段、意識できていないような業界や企業の課題に向き合うことで新しいアイデアへのプロセスに繋がることもあると思うので、このチャンスを逃すのはもったいないと思います(菅原さん)。

EPOCH
プランナー
藤巻百合香(ふじまき・ゆりか)氏

1993年東京都生まれ。2015年より、映像制作プロダクションにてプロダクションマネージャーとして映像制作を経験。2019年から株式会社EPOCHに入社し、アシスタントプロデューサーとして統合型プロモーション施策を担当。第12回販促コンペにて史上初のグランプリ&協賛企業賞W受賞を機に、2021年2月より同社にてプランナーとなる。

 

EPOCH
アソシエイト プロデューサー
菅原由佳(すがわら・ゆか)氏

1989年東京都生まれ。多摩美術大学卒業後、グラフィックデザイナーとして就職後、映像制作の分野に惹かれ、フリーのデザイナーと平行して、映像制作にも携わる。2019年よりEPOCH入社。アソシエイトプロデューサーとしてCMやMV等の映像作品をはじめ、CDジャケット等のグラフィック作品のプロデュースも担当し、時に自身でもアートワークを手掛ける。

 

※応募締め切りが6月3日に迫る第13回「販促コンペ」への応募はこちら
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