ポカリスエットのCMは、ブランドの話題化にどれくらい貢献したのか?
このCMは映像のクオリティが極めて高いことに加えて、そこに込められたメッセージが、新型コロナ禍でもがいている若者の心を掴み、多くの共感を集めたといえるでしょう。
では、実際にこの広告がどのような影響を与えたのか、SNSの口コミから読み解いてみましょう。
下記(図1)は、Twitter上のポカリスエット(広告に限定せず、商品全体)の話題量の推移です。
ツイート数
CM公開日の4月9日に大きく話題が跳ね上がり、1日の話題量は6万件を超えました。その後、話題量は減少し、4日後には平常状態に戻っています。ただし、CM公開前は、ポカリスエットの話題量は1日1000件台前半だったのですが、CM公開後は、定常状態に落ち着いた後も、平均2000件強と倍増しています。この広告は商品の話題の底上げにも貢献していると言ってよいでしょう。
さて、広告効果をより詳しく検証するために、前年(2020年)4月のCM公開時の話題量と比較してみたいと思います(図2)。2020年のCMは4月14日に公開されましたが、2021年は、公開日比較で前年の約5.6倍の話題量を獲得しています。
なお、2020年4月に公開された「ポカリNEO合唱」篇は、新型コロナ禍でCM撮影ができない中、多くの中高生がオンラインでつながり、ひとつの歌を合唱でつないでいくというもので、こちらも大きな反響を集めました。
ポカリスエットは、これまでも若者の心を掴む広告を多数展開してきたのですが、2021年は過去のいずれの広告に勝るとも劣らない、大きな共感を集めたと言えるでしょう。