マレーシアで見つけたダイバーシティあふれる小売のアイデア5選+α

③マレーシアの日常の中に溶け込みつつある日本ブランド

当地では、日本商品が格段に手に入りやすくなっています。手頃な価格で基本的に日本と変わらない品揃え(調味料・米・酒・お菓子・日用品など)をローカルスーパーマーケットに行っても実感できます。今年3月にはドンキホーテがオープンしました。店舗には比較的鮮度の高い刺身・種類の豊富なお肉やお魚、日本の野菜が手頃な価格で手に入るので、日本好きなローカル顧客も目に付きました。現在コロナ禍で旅行にいけない分、ドンキホーテで日本を味わう体験をしているようです。

さらに注目は2016年にマレーシア市場へ参入したファミリーマート。ファミリーマートはマレーシアのローカル企業QL Resources社と協業し、日本のコンビニスタイルというコンセプトを浸透させ、順調に事業を成長させることに成功しました。2020年10月時点でマレーシア全国に200店舗以上の出店を果たしています*1。

店内は日本に負けず劣らず清潔で、おにぎり・サンドウィッチ、日本と現地のスナック菓子・医薬品、飲み物などが並んでいます。特にローカライズされた日本の「おでん風」商品が人気で、SNSでインフルエンサーにPRした効果も大きい様子。日本クオリティを味わいたいニーズと、ローカライズされた商品のニーズを上手に取り入れ、日系コンビニの中ではファミリーマートが圧倒的な人気を得ています。また、キャッシュレスデリバリーサービスとも連携しており、利便性が高いことも人気の秘訣といえるでしょう。

店舗外観は日本と遜色ないが、レジ横にはおでん風の商品が目を引く

次ページ 「④マレーシアの店舗におけるコロナ対策のリアル」へ続く

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堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)
堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)

新卒で電通に入社し、コピーライター、デジタルプランナー、クリエーティブディレクターとして、様々な企業のプロモーション、ブランディング、新規事業開発などを担当。主な仕事としては、日本初の人工知能コピーライタープロジェクト「AICO」の新規事業立ち上げをはじめ、国語の教科書に掲載された「さびしくなったら、おヘソをみよう」(日本新聞協会グランプリ受賞)、『One Show 展』(カンヌゴールド)、『JRA進撃の有馬記念』、IBM Watsonハッカソン『日本IBM賞』、宣伝会議第1回コラムニストグランプリなど受賞多数。マレーシアのELM Graduate SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は「消費、そして地域を元気にする」をミッションに小売業界のデジタル革新を担う株式会社フェズにて、クリエイティブ・ディレクションと広報に従事。クリエイティブコーチとしても活動。またオランダ在住のリモートワーカーとして、EU圏からアジア圏まで海外リテイルのトレンドについても執筆や講演など精力的に活動中。主な連載『VUCA時代の小売と消費』(ダイヤモンド社)、『世界の小売から』(宣伝会議 AdverTimes)等

堤 藤成(フェズ クリエイティブ・ディレクター/PR プランナー)

新卒で電通に入社し、コピーライター、デジタルプランナー、クリエーティブディレクターとして、様々な企業のプロモーション、ブランディング、新規事業開発などを担当。主な仕事としては、日本初の人工知能コピーライタープロジェクト「AICO」の新規事業立ち上げをはじめ、国語の教科書に掲載された「さびしくなったら、おヘソをみよう」(日本新聞協会グランプリ受賞)、『One Show 展』(カンヌゴールド)、『JRA進撃の有馬記念』、IBM Watsonハッカソン『日本IBM賞』、宣伝会議第1回コラムニストグランプリなど受賞多数。マレーシアのELM Graduate SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は「消費、そして地域を元気にする」をミッションに小売業界のデジタル革新を担う株式会社フェズにて、クリエイティブ・ディレクションと広報に従事。クリエイティブコーチとしても活動。またオランダ在住のリモートワーカーとして、EU圏からアジア圏まで海外リテイルのトレンドについても執筆や講演など精力的に活動中。主な連載『VUCA時代の小売と消費』(ダイヤモンド社)、『世界の小売から』(宣伝会議 AdverTimes)等

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