役立つ資料を探す 図書館活用術
アフターイメージの充実化。それには、「情報として扱う事柄の周辺や背景まで知識が及んでいること」「複数人で多角的にイメージすること」とお伝えしました。
では、事柄の周辺や背景まで知識を及ぼすためには、どう調べればよいでしょう。実際、「どうやって調べるの?」と私自身、ときどき訊かれますが、実は特段、特殊なテクニックがあるわけではありません。コツのようなものをあえて挙げるとすれば、自分が必要としている情報を手に入れるために役立つ資料を効率よく入手することかと思います。
資料探しには、国会図書館や都立中央図書館の蔵書検索が便利です。図書館に足を運ばなくとも、「国立国会図書館オンライン」など、ネットで蔵書検索できるのですから、活用しない手はないと思います。知りたい事柄をキーワードとして検索する、うまくヒットしなかったら、関連する用語で検索する。検出された書籍や論文のタイトルを目で追うだけでも、その事柄のトレンドや研究動向を窺い知ることができます。気になる資料が公立図書館に所蔵されていれば、最寄りの図書館に取り寄せて貸し出してもらうこともできます。
また、図書館の蔵書検索だけでなく、書店の在庫検索をしてみるのもおススメです。検索キーワードへの対応の仕方の違いから、検出される本の並びが異なるので、欲しい資料の見落としを減らす効果が期待できるからです。ちなみに、私は紀伊国屋書店ウェブストアをよく使います。詳細検索を使うと、分類(「新書・選書」「文芸」「教育」「辞典」など)で絞り込むこともできて、あれこれ検索すると思いがけない本に出会えたりします。
さて、次回は最終回です。成功したコンプライアンス・チェック体制に参加した経験を踏まえて、複数人で多角的にアフターイメージを充実させるチェック体制についてお話ししたいと思います。どうぞお付き合いください。