ベテランから若手まで約60人が所属
日本の広告市場でインターネットがテレビの広告費を超えた2019年、6秒企画は短尺動画に特化したオンライン動画専門会社として誕生した。現在は、プロデューサー、エディター、ディレクター、カメラマンなど気鋭のクリエイターら約60人が所属。デジタルの知見を活かし、ワンストップで制作できる組織体制を実現している。
「大手の制作会社など第一線で活躍していた人材も多数加わりました。従来のテレビCMを中心とする広告映像の手法から一歩進んで、新しい挑戦をしていきたいというモチベーションが高いスタッフが揃っています」と、代表取締役社長の二宮功太さん。経験豊富なベテランはもちろんのこと、若手クリエイターも多数所属。中には1人で撮影から監督、編集まで手がける20歳のビデオグラファーが在籍するなど、年齢や経験問わず活躍できる土壌がある。
デジタルネイティブな動画制作プロダクションとして、専門性の高さを自負する。「マス広告が強かった時代は単一のクリエイティブを複数のメディアやチャネルにそのまま流用する形で仕事が完結しましたが、今は違います。ターゲットごとにクリエイティブをつくり分け、さらにTikTokやInstagram、YouTubeなど、配信メディアごとに最適化が必要なため、必然的に制作する本数は多くなる。
さらに、テレビCMをそのままネットに流すと視聴者の求めるスピード感とテンポが合わなくなってしまうという問題も。6秒企画が制作する動画では、チャネルに適したテンポ感やリズム感に強いこだわりを持っています」(二宮さん)。
そんな思いを具現化した動画の一例が、「auじぶん銀行 住宅ローン 連続10秒ドラマ『運命の借換』」だ。住宅ローンの借り換えに悩む心理を恋愛ドラマに見立てた内容で、1本約10秒の本編動画を全10種類制作。全編通した約100秒でひとつのストーリーに仕上がっている。
「まず『10秒ドラマって何?』というフック、そして10秒後に次の10秒を見たくなる仕掛けがあり、スピード感も圧倒的に速い」といい、こだわりが詰まっている。
また、カカクコムが運営する求人情報の一括検索サイト「求人ボックス」のWeb CMでは福原遥さんを起用。サービス名の認知を目的とし表現のフレームはすべて同じながら、シーンとセリフの異なる6秒のバンパー広告を複数制作した。2019年にスタートし、現在第三弾まで公開中だ。「リアルタイムで効果測定ができるので、効果が出なければすぐに違うパターンを投入できます」と、一案件にクリエイティブを複数用意する理由を明かす。
オンラインライブ、ショーの制作も
2020年には新型コロナウイルス感染症の拡大により、全世界的にDXへの取り組みが加速。6秒企画でも動画制作に関する問い合わせがよりいっそう増えた。「2019年に会社を設立し基盤を固めていたからこそ、この流れにうまく乗ることができました」と二宮さん。現在は、6秒企画の原点とも言えるYouTubeのバンパー広告などの短尺動画にとどまらず、音楽ライブ、ファッションショーなどのオンラインコンテンツも幅広く手がけている。
その一例が、ファッションブランド「KEITA MARUYAMA」と「PITTA MASK」を展開するアラクスとのコラボレーション・ショーへの協力だ。コロナ禍の影響でブランド初のオンラインでのファッションショーを実現するにあたり、サイバーエージェント子会社で3DCGなどを得意とするCyberHuman Productionsと協業して映像制作にあたった。
ショーで流す映像は、サイバーエージェントグループが自社で運営する「カムロ坂スタジオ」(東京・品川区)で撮影。最先端のテクノロジーに対応でき、出演者以外はすべてCGで表現するクリエイティブを用意した。「3Dスキャニングした人間と本物の人間が入り交じった映像など、リアルでできない演出もデジタルによって可能となった。コロナ禍において見出された、こういった新たな表現の可能性はコロナ収束後も続くはず」と将来も見据える。
現在は人材面、設備や技術面からも“秒速”で新たな表現を提示できる会社へと進化し続けている。「動画クリエイティブの最適解を出し続けられる会社にしていきたい。何が流行り、何が廃れるかわからない時代では、既存のやり方を疑い、常にアップデートできる変化対応力があるチームをつくった方がいい」と二宮さん。これからもデジタル起点の発想で、新時代の表現を探り続けるつもりだ。
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