ユニクロは、首都圏での出店に際し、店舗ごとの特色を打ち出してきた。
2020年オープンの例を挙げると、「ユニクロ PARK 横浜ベイサイド店」では店舗の壁面に大きなすべり台を設置するなど、公園としても利用できる仕掛けを施した。「ユニクロ 原宿店」ではリアルとバーチャルの融合を体現した最新の店舗として、コーディネートを提案するスマートフォンアプリ「StyleHint」専用の売場を設けている。
そして2021年6月4日にオープンした「ユニクロ 浅草」は、浅草エリアで初めての大型店。「Our Neighborhood!」というコンセプトを掲げている。ユニクロの顧客だけでなく、「浅草の地元に愛され、共に成長していける店舗を目指す」という。商品構成はメンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビー。店舗規模は大型店クラスだが、当面はコラボレーション商品など限定商品の販売に力を入れた店舗として営業する。
地域商品の購買へつなぐ「観光案内所」
「ユニクロ 浅草」の大きな特徴は、店内に設置された「地域協業エリア」。2階中央エリアでは浅草界隈の企業や店舗ごとにボードを設置し、実際の商品や写真パネルでその魅力を紹介している。
店舗の場所を示すパネルも配し、さながら浅草の観光案内所のよう。各店舗の商品こそ販売していないものの、価格を表示し、「ユニクロ 浅草」のあとに足が向かうきっかけになるよう、演出している。
■浅草限定のUT me!のデザインも登場
用意されたデザインを自由に配置し、世界で自分だけのTシャツをプリントして購入できるサービス「UTme!」が、「ユニクロ 浅草」にも登場。同店舗限定で選べる地元の老舗ブランドや浅草にちなんだコラボデザインを限定販売している。
「UTme!×浅草うまいもの会」特別コラボ企画 第1弾には、浅草の9店舗が参加。どじょう料理店「駒形どぜう」、洋食の「ヨシカミ」、天ぷらの「大黒家」などのロゴをあしらったTシャツやトートバッグを作ることができる。
■シンボルは1.8メートルの巨大提灯
店舗の入り口には、江戸手描提灯の職人が手がけた1.8メートルの巨大提灯を掲げた。安政元年(1854年)から続く浅草の老舗・大嶋屋恩田さんが立方体の提灯にユニクロロゴを描いたもので、背面に設置されたモニターでは制作過程のムービーを流している。