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カンヌライオンズ4日目は、Radio & Audio Lions and Mobile Lions、the Creative Business Transformation Lions、Creative eCommerce Lions、Brand Experience & Activation Lions、Creative Effectiveness Lions、そしてInnovation Lions,の各部門が発表となった。
各受賞作品は以下の通り。
the Radio & Audio Lions
※886のエントリーでグランプリ他、ゴールド6、シルバー9、ブロンズ14。
・WOOJER「SICK BEATS」(AREA 23,AN FCB HEALTH NETWORK COMPANY+CANJA AUDIO CULTURE+CHARLEX+MISTER BRONX+THE EMBASSY VFX)
難病である嚢胞性線維症(CF)の子供にとって、気道クリアランス療法はとても苦しいこと。SICK BEATSは、音楽を利用して気道クリアランスを可能にしたベスト。臨床的に証明された音波療法の装置を使用している。スマートフォンと同期して、音楽から治療用の40Hz周波数を引き出し、胸に送る。SICK BEATSでは、Spotifyライブラリにある40Hzの周波数の曲を使用している。Pharma Lionsのグランプリに続いて受賞。
Mobile Lions
※898のエントリーでグランプリ他、ゴールド7、シルバー11、ブロンズ15。
・TELENOR PAKISTAN/TELENOR 4G「NAMING THE INVISIBLE BY DIGITAL BIRTH REGISTRATION」(OGILVY PAKISTAN+CABOOSE+GSMA)
パキスタンでは戸籍登録が複雑で登録できていない人が6000万人もいる。そのため、出生登録率が低いという課題があった。そこでアンドロイドのモバイルアプリを活用し、誰でも簡単に登録できるデジタル出生登録システムをつくり、展開。わずか6か月で出生登録が30%から90%に増加したという。MEDIA LIONSに続いてのグランプリ受賞。
the Creative Business Transformation Lions
※202のエントリーでグランプリ他、 ゴールド1、シルバー3、 ブロンズ4。
・CARREFOUR「ACT FOR FOOD CARREFOUR」(MARCEL+CONTROLFILMS+FAVORITE)
カルフールグループは2018年に、人々の健康、さらには農家と地球のために食品生産の品質とシステムを改善するための行動プログラム「Act for Food」を立ち上げた。このプログラムでは、農家がオーガニック食品生産に移行するためのサポート、オーガニック食品専門店のオープン、大量供給による販売拡大、100以上の疑問視される成分を含む商品の販売禁止、適正な価格での提供やトレーサビリティなどを実施している。
Creative eCommerce Lions
※336のエントリーでグランプリ他、ゴールド2、シルバー4、ブロンズ7。
・ABINBEV「TIENDA CERCA」(DRAFTLINE)
コロナウイルスの影響を受けたコロンビアの小売り店舗の支援のために、ABINBEV(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)が立ち上げたEコマースのプラットフォーム「TIENDA CERCA」。それによって、近隣の住民は自宅からオンラインで注文し、店舗側は宅配をすることで、安全に買い物ができるようになった。このプラットフォームを使ったことで各店の売上へとつなげ、地域のビジネスを継続させることができた。
・THE BIG ISSUE & LINKEDIN「RAISING PROFILES」(FCB INFERNO)
雑誌「THE BIG ISSUE」は、生活に困窮している人、路上で生活する人などが同誌を販売することで収入を得られるというモデルを提供し、彼らの生活を支援している。しかし、コロナ禍で雑誌を販売することが難しくなり、売り手が生計を立てられなくなったことから、THE BIG ISSUEはLINKEDINとパートナーシップを組んだ。売り手をLINKEDINに掲載し、オンラインに関するトレーニングを実施。位置データを使用して売り手がかつて販売していた地域で働いている人たちや新規顧客をオンライン上で結び付け、雑誌の購入につなげるという新しい販売モデルを構築した。
Brand Experience & Activation Lions
※2,352のエントリーでグランプリ他、 11ゴールド、19 シルバー、43 ブロンズ。
・BURGER KING「STEVENAGE CHALLENGE」(DAVID,Madrid+LANDIA Madrid)
バーガーキングが、イギリスの弱小サッカーチームStevenage FCをスポンサード。そして、人気のサッカーゲーム「Fifa 20」内で同チームを選び、難易度の高いチャレンジをするようプレイヤーに呼びかけた。プレイヤーがチャレンジに成功したら、その動画をSNSに投稿することで、無料券などをプレゼント。多くのプレイヤーが参戦した結果、同チームはゲーム内で強くなり、知名度も上がった。Social & Influencer Lions、Direct Lionsに続いて、3つ目のグランプリ。
・MASTERCARD「TRUE NAME」(McCANN, New York)
カードを使用する際に見た目と名前が違うことで差別やいやがらせを受けることがあったトランスジェンダーやノンバイナリー(男性・女性に当てはまらないと認識する人)の人々。マスターカードでは、彼らが選択した名前をクレジットカードに使用できるようにした「TRUE NAME CARD」を発行。カードの発行に銀行の協力が必要だったことから、同ブランドは業界全体へと呼びかけた。
Creative Effectiveness Lions
※141のエントリーでグランプリ他、ゴールド3、シルバー3、ブロンズ4。
・NIKE/JUST DO IT 「NIKE CRAZY DREAMS」(WIEDEN+KENNEDY+PARK PICTURES)
2019年にカンヌライオンズでエンターテインメント・フォー・スポーツとアウトドア部門でグランプリを受賞したナイキ「Dream Crazy」キャンペーン。サンフランシスコ49ersのコリン・キャパニック選手を起用したキャンペーンの効果が評価され、Creative Effectivenessグランプリとして選出。
Innovation Lions
※161のエントリーでグランプリ他、シルバー1、ブロンズ3。
・UNILEVER 「DEGREE INCLUSIVE」(INCLUSIVE DEODORANT+WUNDERMAN THOMPSON+LA DOBLE A+SOUR STUDIO)
世界の人口の15%が障害を持っているが、多くの製品はまだこのコミュニティを念頭に置いて設計されていない。特に視力や腕の動きが制限されている人にとって、デオドラントキャップをひねったり、スティックを回したり、スプレーを押したりするのが困難になる可能性がある。そこで制汗剤「Degree Deodorant」は、はさまざまな専門家チームと協力して、障害を持つ消費者の特定のニーズを新しいコンセプトの最前線に置いて、パッケージをデザインした。同商品のフック付きコンテナは、片手で使用できるように設計。強化されたグリップ配置と磁気クロージャーにより、グリップや視力が制限されているユーザーがキャップを簡単に取り外して交換できる。大きなロールオンアプリケーターによって、より広い面積をカバーできる他、ラベルには点字で説明を入れている。
※日本の受賞作品
Brand Experience & Activation
BRONZE LIONS
・良品計画/企業広告「無印良品:気持ちいいのはなぜだろう。」(日本デザインセンター)