「Google アナリティクス4プロパティ」 いま広告主が活用すべき理由

2020年10月、Googleがアナリティクスの新規格、「Google アナリティクス4プロパティ(以下、GA4)」をリリースした。サードパーティーデータの規制に伴い、ファーストパーティーデータへの企業の注目が高まる中、この新たなツールは企業にどのような価値をもたらすのか。アユダンテの山浦直宏氏が解説する。

ポストクッキーは現れない?肝は1stパーティーデータ

日本で最初のSEOベンダーを起源とするアユダンテは、2006年の設立後、SEO対策のコンサルティングや運用型広告事業などにより多くの企業をサポートしてきた。

また、Googleアナリティクス(以下、GA)の導入支援、分析サポート事業でも豊富な実績を持つ同社は、2009年には、日本で初めてのGoogle アナリティクス認定パートナーにも選出されるなど、マーケティング領域の課題解決にGAを活用したいと考える企業から信頼を集めてきた。

そんなアユダンテでデジタルソリューション事業部のCOOとして、長年デジタルマーケティングのコンサルティングを行っている山浦直宏氏は、クッキー規制をはじめとするサードパーティーデータの使用制限により、多くの広告主がポストクッキー時代の代替技術に大きな関心を寄せているが、広告配信においてクッキーの代わりとなるようなソリューションはすぐには誕生しないとの考えを述べる。

「クッキーのようにユーザーの個に対するターゲティングの精度が高いソリューションはなかなか現れないでしょう。そこで重要となるのが、ファーストパーティーデータの活用です」と山浦氏。

ユーザーの同意を得た上で、オウンドメディアの行動データやCRMデータといったファーストパーティーデータを広告主企業が取得して分析、活用する環境を構築することが、今後のマーケティングには必要とされているという。

GA4レポート画面。従来のGAで取得できたWebサイトのデータに加え、Android、iOSのアプリデータも取得できるため、統合分析が可能となる。

日本初の認定パートナーが考えるGoogleアナリティクス4の重要性

ファーストパーティーデータの活用において山浦氏が、広告主企業が注目すべきだと考えるのが、GA4だ。

GA4は、2020年10月にGoogleが正式版としてリリースした、アナリティクスの新しい規格。従来のGAの機能拡張やバージョンアップといったものではなく、計測タグの仕組みから新しくなっているので「まったく新しいツール」として認識した方がいいだろう。よって、これまでGAを使用してきた企業がGA4を使用する場合、再度導入する手間が発生するほか、データ定義なども従来とは異なるため、運用方法の見直しも必要になる。このようなことがハードルとなり、GA4の導入を見合わせる企業もあるという。

しかし山浦氏はファーストパーティーデータ活用においてGA4は“要”となる存在であり、再導入に際してのコストをかけてでも、マーケターにとって有効なものであると話す。

「マーケターにとって、ユーザーの動きを理解するための継続したデータの取得は非常に重要。従来のGAはWeb中心のマーケティングを前提に開発されたツールでしたが、GA4ではWebに加えスマートフォンアプリやYouTube動画の視聴データなどの統合分析が可能です。

ユーザーの継続的な動きを完全にとらえることはまだまだできていませんが、ツールとしてそのような方向に向かおうとしています。つまり、GAを“Webアクセス解析仕様”のツールととらえるとすると、GA4は“デジタル全体のユーザー行動理解仕様”のツールととらえることができるのです。メディア、コンテンツの多様化により、クロスデバイス、クロスプラットフォームでのマーケティング活動が主流の現在、マーケターは個々の施策ごとのデータを単独で分析するのではなく、俯瞰して統合的にとらえることで新たな施策の可能性を見出すことができるのではないでしょうか」と、山浦氏は語る。

広告主企業のマーケターは、GA4への理解と、ツールがどのようなビジョンを描いているかを深く理解し、ポジティブな関心を持ってほしいというのが山浦氏の考えだ。アユダンテでは、そのためのGA4導入設定支援サービスを用意しており、既に多くの企業に提供している。

アユダンテでは、従来のGAタグに加えGA4タグも並行導入し、移行の準備を行うデュアルタギングサービスも実施している。

いつでも「見られる」「使える」広告主のデータオーナーシップ

GA4リリース以降、アユダンテへの相談も、アプリやYouTubeを活用した施策に関するものが増え、幅が広がった。

「既にGA4への切り替えを行い、統合的なデータを取得できる状態になっているクライアント企業もあります。従来のGAは、今後アップデートしていかないため、機能の拡充などは起こりません。それであれば、早い段階でGA4を導入し、慣れておいた方が中長期的な視点でも役に立つと考えています」。

同社メンバーの、GAの導入やデータ分析におけるコンサルティング実績数は国内トップクラス。アユダンテには営業職がないため、そのような豊富な経験を持つコンサルタントが直接サポートを行っているという。

また、同社にはソフトウェアエンジニアが所属しているため、DMPの導入といった環境構築にも素早く対応できる。

このような強みを生かして、これまで以上に広告主企業のマーケティングやプロモーション活動をサポートしていきたいと話す。

「マーケティング活動の幅を拡げていくためにも、広告主企業のマーケターは、いつでもデータにアクセスでき、分析や意思決定ができる状態である“データオーナーシップ”を持つことが非常に大切です。特定の広告会社や制作会社などにデータを預けておくのではなく、直接管理できる『Unlock』な状態である企業はデータ活用のスピードが速いです。

そのような、広告主企業がデータオーナーシップを持てる環境を構築し、デジタル施策のデータを統合的に分析して有益なアドバイスができるよう、我々も成長を続けていきたい」と山浦氏は展望を語った。



お問い合わせ
アユダンテ株式会社

東京都千代田区麹町2丁目2-4
麹町セントラルビル 6階
TEL:03-3239-8441
E-mail:yamaura@ayudante.jp
URL:https://ayudante.jp/

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事