電通ダイバーシティ・ラボが『アライアクションガイド』の無償提供をWebで開始

ダイバーシティ&インクルージョンに関する様々な課題へのソリューションを提案する電通ダイバーシティ・ラボが、今年6月に『LGBTQ+について「知る」「考える」「行動する」アライアクションガイド』を作成。転用可能なデジタルブックとして、Webでの無償提供を開始した。

 
本ガイドブックでは、LGBTQ+に関する取り組みにおいて重要である「アライ」の存在に着目している。アライとは、LGBTQ+のことを理解し、支援のために行動するLGBTQ+フレンドリーな人。英語の「ally(同盟、支援)」が語源だ。

「2011年の設立以来、電通ダイバーシティ・ラボのLGBTQ+に関する取り組みの全てがアライ・マインドによるものであり、セミナーやソリューションを提供する際には「アライ」という言葉と概念について説明し、理解を求めてきました。

特に「アライ」という言葉自体を対外的に使用しはじめたのは、2016年です。その年の「東京レインボープライド」(日本最大級のLGBTQ+の祭典)に、『GET!A-License(アライセンス)!』という企画ブースを出展。今回のガイドブックの基となる『ALLY HANDBOOK(アライ・ハンドブック)』をブースで配布し、大きな反響がありました」と、本ガイドブックの編集メンバーである電通関西支社クリエーティブ・ディレクター 増山晶さん。

電通ダイバーシティ・ラボは、今年4月に『LGBTQ+調査2020』を発表。2012年、2015年、2018年に続いて4回目の調査だったが、今回はじめてストレート層へLGBTQ+に対する知識と意識を調査したところ、課題意識が高く、積極的にサポートする姿勢のある「アクティブサポーター層」が29.4%を占めていることがわかった。その層をはじめ、ボリュームゾーンである「知識ある他人事層」などに向けて、正しい知識と具体的なアクションを指南することが平等な社会実現に向けたきっかけになると考え、『アライアクションガイド』の作成に至ったという。

『アライアクションガイド』は、デジタルブックとして制作。1テーマ1ページでまとめており、最初から最後まで読んでいくと、より理解が深まる構成になっている。

「能動的に手に取ってくれる“アライになりたい人‟もいれば、受動的に渡されて読む人もいるかと思います。LGBTQ+に関する知識量に関わらず、どなたにも自分事化してもらえるように、さまざまな立場の人に意見を聞いて、言葉選びや語尾について何度も何度も検討を重ねました」と、構成・文章を手がけた電通関西支社コピーライター 福居亜耶さん。

デザイン面に関しては、性を表す色や記号などのステレオタイプにとらわれないことと、見やすさ・わかりやすさを両立できるように、工夫を凝らした。ガイドブックに使用している図やイラスト、カラフルなアイコンに始まり、デザイン全般を手がけたのは、アートディレクター 加藤千洋さん。

 
電通ダイバーシティ・ラボは日本初の大規模な全国LGBTQ+調査を実施した2012年以降も、定期的な調査や様々なプロジェクトを通じて、LGBTQ+の理解促進に貢献してきた。その間に世の中の理解も進み、企業や自治体での取り組みも活発になっている。今後の活動について尋ねると、「電通ダイバーシティ・ラボでは企業や自治体だけでなく、教育現場に向けた新たなチャレンジも開始しています。今後もダイバーシティ(多様性)の理解だけでなく、インクルージョン(包摂)やイコーリティ(平等)への共感や実践に向けて、誰もが暮らしやすい社会のため、発信を続けていきます」(増山さん)。

『アライアクションガイド』は、電通ダイバーシティ・ラボが運営するWebマガジン「cococolor」にて、イラストなどの素材と共に誰でもダウンロード可能だ。

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