急速に増えるアプリ会員のデータを分析し、再来店や併売提案に成功

ムラサキスポーツは、全国とオンラインで店舗を展開し、サーフィン・ボディーボード・スノーボード・スケートボード・BMXなどのアクションスポーツ用品を販売している。また、サーフィンスクールなどのイベントも開催している。

今回は、2021年2月に『第14期 データマーケター育成講座』を修了したマーケティング部の並木崇氏に受講のきっかけや修了後の成果を聞いた。

ムラサキスポーツ
マーケティング部
並木 崇氏

——これまでのキャリアを教えてください。

入社後、都内と地域店で店長を含めるなど15年現場を経験しました。その後オンラインストアを4年担当しました。

現在のマーケティング部ではCRMを担当して3年目です。主にアプリ会員のデータを分析し、結果に基づいて戦略を立案しています。

——CRMとは、具体的にどのような業務ですか。

CRMの目的は、アプリの顧客に再来店を促すことでした。ただ、この取り組み自体が、当社としては新領域で初めての取り組みで、試行錯誤を繰り返していました。

アプリを介して顧客データがどんどん増えていく一方で、グラフで属性の可視化はできても次にどんな手を打つべきなのか、打ち手の引き出しがありませんでした。

また、仮説を立てても、分析に充てられる時間が少なく、何を基準にデータと数値を見れば良いのか分からず、PDCAが回しきれない。手探りな状態でした。

——2020年12月のオンライン開講『第14期 データマーケター育成講座』を受講した経緯は。

先ほどのような苦労があったことと、話題となっていたデータ分析ツールに頼らず、まずは「自分がエクセルベースでデータを分析できるようになり、それを踏まえた打ち手を提案できるようになりたい」と思ったからです。

そうした矢先に、宣伝会議からダイレクトメールで講座のパンフレットが届き、受講を決めました。

——講義を通して印象に残っていることはありますか。

米国や日本で先端を行くといわれる企業のデータマーケティング事例を知り、こんなに進んでいるのかと感心しました。私たちの業界でも先々こうなっていくのだなと、先を見通せました。

また、「データ分析と分析結果の共有を、一度や二度上手くいかないことがあってもめげずにやり続ける」ことの必要性をどの講師も話していたことは印象的でした。

データマーケティングは、分析結果を「どうだ!」示すのではなく、「コツコツ仮説を立てて、ある程度の時間をかけてわかりやすい資料を作成して、言葉も尽くして伝えることが重要。そして社内で伝わったとしても、分かってもらうだけで終わらせずに、実務に反映されるまでやり続けること」だということに強く共感しました。

分析の手法自体は検索すれば知ることができます。ただ、ある手法が最適なシチュエーションは、といったことまでは知ることはできません。講座で学んだことで、パターン別に適切な分析手法を選択ができるようになりました。

ほかにも、初めてリピート購入をしてくださったお客さまがリピーターになり得るため、いっそう大切にすべきなのだと再認識しました。重ねて、リピーターとなっていただいた方に、ファンでい続けていただく重要性も再確認できました。

——講義内容で実践していることと、そのうえでどんな成果につながっているかを教えてください。

大きく2つあります。

1つめは、併売分析です。お客様が何と何を一緒に買っているか分析してみました。例えば、サーフィンのアイテムを購入される方が、サーフィン以外のアイテムではアパレルを買っているといったことです。

分析の結果、お店に足を運んでいただければ購入される確率が高い方に、再来店特典オファーができるようになりました。

2つめは、顧客の可視化です。お買い上げ金額が大きい方の傾向を明らかにしたり、お客様にランク付けをしてバースデークーポンの配信を始めました。

また、お買い上げ金額の高い方やお買い上げ直後の方は、アプリのメッセージ開封率が高いことも発見しました。

この2つのほかにも、キャンペーンを打って来店いただいたお客様に、どうしたら2回めの来店をいただけるか、そのための施策を考えるようになりました。

こうした購買実績に基づいたサービスをお客様に提供できるようになってきています。

——店舗スタッフなど、社内にも波及効果が出ているそうですね。

全体の売上に対するアプリ会員のお買い上げ比率がアップしました。さらに、キャンペーンごとに、客層のターゲットがより明確になりました。

また、全社や店舗ごとの購買データをグラフ化し、比較することも始めました。

店舗ごとに顧客層と購買データを整理し、事実と、提案を分けてA4一枚のレポートを作成しています。

店舗の中には、店長の認識と実際の客層が違うこともあります。実際の客層に合わせて、店舗のレイアウト等を工夫することで、売り伸ばしや、顧客のリピート化が促せると思い、できる範囲で店長に分析結果と提案を共有して、ディスカッションするようにしています。

このように、各店舗が、それぞれの客層や地域性に併せて、より良い意思決定をするための裏付けができるようになってきました。

店舗ごとに顧客データの分析とグラフ化し、店長に共有している。

——これから実践したいマーケティング活動と狙いを教えてください。

仮説・分析・実行のサイクルが回せるようになってきましたので、データから会員の可視化をする価値や精度を高めて、各部署の意思決定のサポートをより推進してきたいです。

こうしたデータドリブンなマーケティングを推進していくためには、「データの見方・使い方」と「顧客がリピートするためのマーケティング手法の実践」の両方が必要だと思っています。これらを行いながら、今のお客様にずっとファンでいていただけるようにしたいです。

そのためにも、当社が得意としているイベントなどの会員向けのサービスを手厚く行うことで、オフラインで商品の買い物を楽しんで頂くだけでなく、デジタルを介したサービスも楽しんでいただけるようにしていきたいです。

また、データマーケティング全般を今は手動でやっていますが、基盤を整備し自動化しながら、お客様に合わせてより適切な情報を、最適なタイミングでお届けしてきたいです。

データマーケティングの考え方を体系的に習得するため、並木氏が受講した講座は……
第14期 データマーケター育成講座でした
 

宣伝会議のデータマーケター育成講座は2016年で6年目、16期で670名以上の受講生を輩出しています。

 

<次回の開催日程 〔オンライン開講〕>

■講義日程

第17期 2021年11月7日(木)開催

■受講定員
40名を予定
 

詳細はこちら

 
お問い合わせ
株式会社宣伝会議 教育事業部
MAIL:
info-educ@sendenkaigi.co.jp

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