近年、 広告界を中心に注目されている「パーパス」。 「何のために存在するのか」という、 企業経営における本質であるにもかかわらず、 その本来の意味を理解しきれず、 どのように活用していけばよいのか、 答えを出しかねている企業が少なくありません。
日本において早くからパーパスについて取り組んできた著者・齊藤三希子は、 パーパス・ブランディングについて次のように説明します。
「個別の事象で課題を解決していくのではなく、 企業や組織の根幹となる拠り所=パーパス(存在理由)を見つけ、 究極的にはそれひとつで判断・行動をし、組織やブランドの価値を高めていくこと。 拠り所としてのパーパスを明確化すると、 経営者も現場もブレることなく、 同じ方向を見て進むことができます」。
パーパスとは、 まさに企業経営における本質であり、 これから企業が取り組んでいくべきことです。 これまで海外事例で紹介されることが多かったパーパスですが、 著者はその経験と知見から、日本企業が取り組めるよう本書を執筆しました。
日本でパーパス・ブランディングを実践するスターバックスコーヒージャパン 水口貴文社長インタビューも収録し、 分析。 まさに「パーパス・ブランディング」の教科書といえるものができあがりました。
本書の目次
・序章
あなたの会社やブランドは、何のために存在するのか
パーパス・ブランディングとは/不確実でスピードが求められる時代にマッチした考え方/成長し続ける企業の秘密/「何をやるのか」ではなく、「なぜやるのか」/パーパスを再発見する/パーパスブランディングの真髄/パーパスブランディングは、大小関係なく経営者が深く関わるべきもの/本気度が試される
・第1章 「パーパス」とは何か
最近よく聞くけれど、そもそも「パーパス」の定義とは
社会問題に関心を持つミレニアル世代/ミレニアル世代がパーパスを求める理由/パーパス・ブランディングを印象づけたナイキのキャンペーン/ミッション・ビジョン・バリューズとの違い/パーパス主導型企業、ホテルチェーン ハイアットのパーパス/パーパスの考え方とプロセス
・コラム1
リーダーには想定外の未来を読む力が求められる
一橋大学鷲田祐一教授に聞く〝未来洞察〞 その活用方法
・第2章 パーパスがもたらす効果
株主至上主義から、人、社会を重視した方針へ
アメリカから始まったパーパス・ムーブメント/世界のパーパス企業の動き ウーバーとエアビーアンドビー
・第3章 パーパス・ブランディングの全貌
2020年代、パーパスは経営における最大のテーマ
パーパスブランディングの全体像/インターナル・ブランディングとエクスターナル・ブランディングの定義/パーパス・ブランディングのプロセス「IPCSE」
・「パーパス」に関するQ&A
エスエムオー パーパス・コンサルタントに聞く「パーパスの見つけ方」
・第4章 日本企業だからこそできるパーパス・ブランディング
パーパスから始まる組織とビジネスの進化
事例1 住友ゴム工業
事例2 サラヤ 神宮前らかん・果
・コラム2
クリエイターが考えるパーパス 鈴木武人(コピーライター)
・第5章 パーパスは浸透こそが重要
スターバックスのパーパス・ブランディング
浸透に必要なのは理解と信頼/企業は利益だけのために存在するものではない
インタビュー:スターバックスコーヒー ジャパン代表取締役最高経営責任者(CEO)水口貴文氏
スターバックスに学ぶ、パーパス主導型組織の在り方 パーパス起点の活動から浸透まで
スターバックス、パーパス浸透の仕組み/パーパス・ムーブメントのフレームワーク(構造)
・第6章 パーパスが問われる時
危機的状況下だからこそ、パーパスの本質が試される
あらゆるステークホルダーに影響を及ぼす
・コラム3
グローバルBtoB企業に見るバーパス・ピボット
おわりに
エスエムオー株式会社代表取締役 ブランディングコンサルタント
株式会社電通に入社後、 電通総研への出向を経て、 2005年に株式会社齊藤三希子事務所(後にエスエムオー株式会社に社名変更)を設立。 企業の存在理由である「パーパス」を軸に全てのアクションを行い、 社内外にそのパーパスを浸透させることで一貫したブランディングを行い、 ブレない強い組織を作る「パーパス・ブランディング」に10年以上取り組んでいる。 株式会社バルカー社外取締役。 慶應義塾大学経済学部卒業。