NRI社会情報システムは7月15日、貯蓄額が低いシニア世代ほど、「社会のデジタル化」への期待感が低いとする調査結果を発表した。全国の50歳〜79歳の男女3000人を対象としたインターネット調査。
「社会のデジタル化」に対する期待の分かれ目となったのは、世帯貯蓄額100万円〜200万円未満の層。「非常に期待している」9.6%、「多少期待している」40.0%で合計49.6%だった。以下、100万円未満だと合計46.9%、貯蓄なしでは合計43.4%と比例して下がる。逆に500〜700万円未満では「期待」の合計が60%を超え、1億円以上では67.3%となった。
就業者と非就業者でも期待感は分かれ、就業者のほうが非就業者より高い結果となった。非就業者の中でも、潜在的求職者や就業経験のない人は期待感が低い。
「社会のデジタル化に期待しない」とした人で、その理由のトップに挙がったのは、「個人情報の漏洩リスクが高くなると思う(ため)」で49.6%だった。特に女性のほうが高く50%超。次いで「いまの生活に不自由がない(ため)」37.7%、「監視社会になることが不安」(31.7%)となった。いずれも年齢が高くなるほど回答の割合が増えたが、年齢別で唯一50歳代が多かったのが「生活が便利になるとは考えにくい」だった。
シニア世代が利用する情報源は、テレビ番組74.1%、Webサイト62.6%、新聞58.3%、行政の広報誌45.3%、知人からの口コミ38.5%、家族からの口コミ31.9%、新聞折込み広告31.4%となった。すべての選択肢で、家計状況に「余裕があり、将来の心配もない」とする人が最も利用している。反対に「余裕は全くなく、やりくりが大変厳しい」人は利用率が低くなった。特に後者で50%を超えたのはテレビ番組とWebサイト。知人からの口コミや家族からの口コミは20%前後で、平均より大きく下げた。
Webサービスの利用状況では、YouTubeが50歳代で67.3%、60歳代で61.5%、70歳代で48.1%。Twitterが50歳代33.5%、60歳代21.4%、70歳代15.1%。横並びになったのがFacebookで、22.0%〜24.3%だった。