ロッテが初のD2C専売として展開するチョコレートブランド「YOIYO」。7月13日、ブランド第2弾となる商品「YOIYO 屋久島エージング」が、ロッテの公式オンラインショップで発売された。
コンセプトは「日本に酔うチョコレート」。本坊酒造が有する「マルス信州蒸溜所」(長野・上伊那)のシングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」を屋久島で熟成(エージング)させ、なめらかなチョコレートの中に閉じ込めたお菓子だ。10粒入り10個セットを6156円、同4個セットを2775円で発売する。
今年2月には第1弾として、エージングも「マルス信州蒸溜所」でされた「駒ヶ岳」を用いた「YOIYO<KOMAGATAKE>」を発売。当初は「ロッテ初のD2Cブランド」としてビジネス的な視点での露出が多かったが、徐々に商品自体も好評に。ロッテオンラインショップでの21年4月、5月の売上ランキングでは1位に輝いた。
コロナ禍背景に、D2Cブランドを自主提案
商品の企画が本格的に始まったのは昨年の春頃。ロッテ社内で進められていたプロジェクトに、電通のクリエイティブディレクター 吉川隼太さんらのチームが合流することで始まった。
「新型コロナウイルスの影響が国内でも拡大し始め、Eコマースがより人々に親しまれるなど、物の売り買いの形式が変化しつつある時期でした。ロッテさんも、メーカーとして販売網の強化をされていくのはないかと考えたんです。そこでD2Cブランドのアイデアを提案したところ、ちょうど社内でも進められているとのことで、ご一緒させていただくことになりました」と、吉川さんは背景を話す。そこから商品のコンセプトや形態、フレーバー、デザインなどをゼロから決めていったという。
コンセプトは、冒頭で示した通り「日本に酔うチョコレート」。これはコロナ禍での人々の生活の変化から導きだされたものだ。
「以前より家にいる時間が長くなっている人々にとって、『夜』の時間に何をするか、という選択はより重要になってくるのでは、と仮定しました。夜をどうしたら有意義に過ごしてもらえるか。そう考えるうちに、『よ(良)い夜を』『酔い夜を』という意味を込めた『YOIYO』という商品が生まれました」(吉川さん)。
どうしたら「よい」「酔い」夜を過ごしてもらえるか。生まれたアイデアが「お酒入りのチョコレート」というものだった。
「単にお酒というだけでなく、知的好奇心までも刺激できるものができないか?と話す中で、日本のお酒に着目しました。日本には日本酒以外にも、たくさんの魅力的なお酒が存在します。そんなまだ知らない日本のお酒に出会うことができて、さらにその地域の魅力を知るきっかけになればな、と。そうして“日本のクラフト酒チョコレート”というカテゴリに決まりました」。それぞれが合わさることで、「日本に酔う」という最終的なコンセプトが形づくられた。
デザインのコンセプトは「絵葉書」
第1弾のパッケージは駒ヶ岳の風景の1種類だったが、今回は屋久島の森やウイスキー樽など3種類を用意した。
デザインを担当した電通のアートディレクター 高嶋結さんは、パッケージのコンセプトを「絵葉書」だと説明する。
「前回に続き、お酒がつくられた土地の風景をパッケージにしています。YOIYOはオンライン販売商品なので、実際に商品を手にとってから購入できるわけではなく、購入してから届くまでにもタイムラグがあります。ある日突然届いて、日常にちょっとした変化を与えてくれる絵葉書のように、YOIYOを楽しんでもらえたらと思います」。
また第2弾の発売にあたってリニューアルしたブランドサイトは「YOIYOのお店」と位置づけ、それぞれのお酒にまつわるストーリー、現地の風景、屋久島で採集してきた鳥や虫の声、波の音のBGMが流れるなど工夫を施した。このサイト内で「購入する」ボタンを押すと、ロッテの公式オンラインショップに移動する。
「ブランドサイトかつECサイトなので、ブランド体験と“買う”という行動のデザインが両立されるように購入エリアの順番や数、ボタンの大きさ、色、演出などを吟味して設計しています」と、高嶋さん。
今回は、第1弾と第2弾を食べ比べできる「TASTING SET」(5940円)も発売している。
スタッフリスト
- 企画制作
- ロッテ+電通+J.C.スパーク+mud
- CD
- 吉川隼太
- C
- 石橋枝里子
- AD
- 高嶋結
- D
- 荻野沙理、柴田胡桃
- CPr
- 小澤麻美
- ビジネスデベロッパー+ファシリテーター
- 日比昭道
- コミュニケーションプランナー
- 秋山貴都、天畠紗良
- デジタルプランナー
- 山岸拓也
- 撮影
- 八木伸司
- フォトコーディネーター
- 日色裕樹
- レタッチ
- 青山深
- Webディレクター
- 松本晃次郎
- FE
- 長谷川希木
- AE
- 鵜篭靖央、西山武志