映画『羊の木』の撮影で「死んでまうわ!」と感じたシーンとは?(ゲスト:吉田大八、錦戸亮)【前編】

錦戸の初カバー曲、吉幾三の『と・も・子…』は監督も絶賛

中村:これまたお便りが来ています。ラジオネーム とまのさん。

<お便り>

初めまして。澤本さん、権八さん、吉田監督、亮ちゃん、こんばんは。音楽と映画が大好きな吉田監督と亮ちゃん。私もどちらも大好きで、いろんな人におすすめを聞いて、見たり聴いたりするのが大好きです。そこで皆さんの最近のおすすめの1曲と、おすすめの映画1本がありましたら、それぞれお聞きしたいです。

錦戸:難しい~。

吉田:結構あるんじゃない?

錦戸:ありすぎて、どうしよう。

吉田:じゃあ僕から。曲はね、たまたま最近知ったんですけど、ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)。今そればっかり聴いてます。声の出し方が独特な……あ、ポカリスエットのCMあるじゃない?

権八:アイナ・ジ・エンド?

吉田:アイナ・ジ・エンドが歌ってる。あの曲を書いてコーラスも一緒にやってる人が、ROTH BART BARONだって聞きました。

権八:そうなんだ。

吉田:すごくエモーショナルで、今の気分にすごくしっくりくるので聴いています。

錦戸:僕いいですか? 最近の曲じゃないんですけど、たまたまどこかで見かけて調べていいなと思ったのが、Biffy Clyro(ビッフィ・クライロ)。スコットランドのスリーピースバンド。「Many of Horror」(2009年)という曲が超好きで、ずっと聴いてますね。

吉田:どうやってそれにたどり着いたの?

錦戸:ワイト島フェスティバルで見つけて。二日酔いの朝にそういうの見たとき、妙に刺さるときないですか?

権八:あるあるある。

錦戸:そんな感じでずっと聴いてましたね。

中村:ちなみに、もっとロングスパンで錦戸さんがめちゃくちゃ影響を受けてるなと思う音楽は?

錦戸:ビートルズはずっと好きなんですよ。

権八:すごい。王道だ。

吉田:フォークも好きだよね。

錦戸::フォークも好きですね。日本の方も。斉藤和義さんとか……あとレキシも大好きですし。

吉田:2020年にカバーしてた吉幾三さんの。『さち子』?

錦戸:『と・も・子…』(2007年)ですね。

一同:(笑)。

吉田:そうそう。『と・も・子…』って曲をカバーしてて、すごい良かったんですよ。東北弁の語りのパートがあるんだけど、それがちゃんと自分のものになってるわけ。

権八:どんな感じか、ちょっと語りやってみて。

錦戸:最初だけですよ。「とも子と2人で暮らしてた頃……」みたいなところから始まるんです。

中村:おお~そっちなんですね。

権八:そっちなんだ!

吉田:彼はネイティブじゃないからこそ、新鮮でした。カバーってあんまりしてなかったよね。

錦戸:してなかったですね。初めてのカバーが『と・も・子…』でしたね。

吉田:それも、誰かがカラオケで歌ってたのとかで?

錦戸:そうですね、はい。

吉田:それで「いいな」と思って歌えちゃうわけだから。

中村:吉田大八監督が若い頃も含めて、すごく影響を受けた映画はありますか?

吉田:映画というか、僕は元々ドラマっ子なんですよ。映画を本格的に見始めたのは、映画監督の普通に比べたらきっと遅いぐらい。この年になると、「自分の根っこにあるのは何なんだろう」って時々考えるじゃないですか。結局いつも行き当たるのは、久世光彦さんが演出した『ムー』(1977年、TBS)。澤本さんは、ご覧になってると思うけど。あと、『ムー一族』(1978年、TBS)、『時間ですよ』(1965~1990年、TBS)とか。ドラマなんですけど、ドラマの枠に収まらない「脱ジャンル」の番組で、そういうものに熱狂してた感覚はずっと残ってるんですよね。今でも、映画だけど映画の枠の中だけで行儀よくしてるのがちょっとムズムズするっていうか。

権八:何歳ぐらいから好きだったんですか?

吉田:小学生から中学生にかけてですね。だから大きくなってから「好きだったドラマはだいたい久世さんがつくってたんだ」ってことを知ったかな。

権八:じゃあ「ドラマやりたいな」と思ってたんですか?

吉田:思ってましたね。今でも「ドラマで楽しいことできればいいな」っていう気持ちはあります。たとえばクドカン(宮藤官九郎)さんみたいにドラマっていう枠が壊れないギリギリで上手に遊んでるのを観たりすると、単純に「いいな」って。「こういうお祭りに参加してみたい!」って思います。

権八:へ~そうなんだ。

吉田:話し過ぎだね。もっと錦戸くんの話聞かないと。

錦戸:全然全然!

権八:いやいや。錦戸くんの影響を受けた映画はなんですか?

錦戸:影響ですか?好きなやつでいいですかね。ジェイク・ギレンホールが出てる『ナイトクローラー』(2015年、アメリカ)という映画は大好きですね。

吉田:ジェイク・ギレンホールは大好きだよね。

錦戸:大好きです。

吉田:それよく言ってますよね。

錦戸:権八さん、さっきからメモってるけど、ほんまにちゃんと書いてるんですか?

一同:(爆笑)。

吉田:メモしてもどうせ観ないよ(笑)。

錦戸:ねぇ?(笑)

次ページ 「錦戸、視聴者の悩み相談を一刀両断!」へ続く

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