“音楽のように映画をつくりたい”という吉田監督。「錦戸くんとは話が早い」(ゲスト:吉田大八、錦戸亮)【後編】

錦戸亮の作品だから、彼自身がアーティストとして納得のいくものじゃないとダメ

権八:(映画の終盤で)歌を歌って、その題名が『ジンクス』っていうことでしょ。「何で『ジンクス』なんだろう」って考えた。つまりね、「どうしてこの内容で『ジンクス』ってなるのかな」が、すごくまた興味深いっていうか。

錦戸:これ最初、仮のタイトルだったんですよ。僕はまず曲からつくって、その後に歌詞を書いていくパターンが多くて。仮のタイトルのまんまなんですけど、でもなんか嫌いじゃなかったんですよね。

権八:だから近すぎなくてすごい良いっていうか。「えっどういうこと?!」って思ってすごいまた引き込まれるっていうか。

錦戸:すいません、そんな深読みしていただけて嬉しいです。

権八:いやいやいや(笑)。だって深読みするよね、短いし。15分ぐらいですかね。

吉田:そうですね。確かに今回の曲は、映像のためにつくってもらうんだけど、同時にもちろん錦戸亮の作品じゃないですか。だから彼自身がアーティストとして納得のいくものじゃないとダメっていう前提があるわけですよね。最終的には映画から離れて流通するものだから。彼がちゃんと自分で責任取ってるなって感じはしたんですよね。その距離感を、最初からこんなに絶妙に取れるもんなんだっていうふうに僕も思った。

権八:そうそう。だから歌詞聴いても、近くすぎず遠すぎず。かゆいところに手が届く感じで。歌詞が伸びていくっていうか。ラストシーンとかね。

吉田:確かにそうですね。

権八:この感じとかちょっと絶妙で。

錦戸:ありがとうございます。

中村:せっかくなので聴いてみましょうか。

錦戸:えっ!いやや。えっみんなで聴くんですか?

一同:(笑)。

中村:「いやや」(笑)。

権八:「いやや」って(笑)。聴かせにきたんでしょ(笑)。

錦戸:いやいやいやいや。ちょっと……。聴いてるところ見とくん嫌やな……。まあいっか。はい(笑)。

中村:せっかくなので、錦戸さんの方からタイトルコールをお願いします。

錦戸:じゃあ少しお付き合いください。錦戸亮で『ジンクス』。

~『ジンクス』放送中~

中村:はい。錦戸亮さんで『ジンクス』でした。この曲はAmazon Musicで7月9日から独占配信中です。いかがでした?

権八:いいよね、もちろん。いい曲。でも、歌詞聴きたかったのに大八さんと亮くん2人で裏でベラベラベラベラ喋って(笑)。どうしてこういう歌詞にしたの?

錦戸:歌詞のことを一生懸命説明するのってちょっと恥ずかしくないですか?(笑)「いや、歌詞で伝えろよ」って思うし。

権八:確かに。

吉田:でも最初に歌詞書いたとき、映像や話のことそんなに意識しなかったでしょ?

錦戸:歌詞に関して、何回もつくり直したじゃないすか。それこそ混乱して結局全部ふるい落として残ったのはこれやった、みたいな感じですからね。

権八:えっ、どういうこと?(笑)

錦戸:自分でいろんなことを書いてみて、もっと直接的な言葉も書いてたりもしてたんです。

権八:それはストーリーと関係あるような言葉ってこと?

錦戸:そうです。例えば「夢」っていうワードがあったりしたんすけど、でも結局それは弾いて。んで、落ち着いたところがここでしたね。

権八:そうそう。だから別に「夢」とかも出てこないしね。

吉田:これは半分以上想像ですけど、彼が元々書きたい世界と物語の連携というか、今回のストーリーに反応を起こして出てきたものっていう感じがする。きっと、彼の元々にあるものがベースになってるような気がするんですよね。

権八:なるほど。そうなんですか?

錦戸:いや分かんないです(笑)。

一同:(笑)。

吉田:今権八さんが全く興味無さそうな顔をしてた(笑)。そんな露骨に表情出す?

権八:いやいやいや。

錦戸:マスクであんなに隠れてるのに(笑)。

吉田:「もういいよその話」って。もういいよ、喋らないよ(笑)。

権八:そんなことないって(笑)。

次ページ 「錦戸さんは翻弄される役がお似合い?!」へ続く

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