AIによる学習・制御で広告やエンタメコンテンツに活用
サイバーエージェントは8月2日、タレントなど著名人の「分身」をキャスティングするサービスを開始した。全身の3DCGデータ、動き方の特徴などをとらえたモーションデータ、音声データなどを取得し、デジタル化した分身(デジタルツイン)を制作し、広告やオンライン上のエンターテインメント、接客などにキャスティングする。2023年をめどに著名人500人分のデジタルツインの制作・キャスティングを目指す。
1人めのデジタルツインは、世界で活躍するモデルの冨永愛氏。オンラインで開催するバーチャルファッションショーや、映像への出演を想定する。3DCGモデルは、サイバーエージェントでAI(人工知能)技術研究を担うAIラボと、子会社のサイバーヒューマン・プロダクションズが制作している。
実在の人や物、風景に見えるほどの高精度3DCGモデルを用い、AIによって自然な見た目、動きを生成する「シンセティック・メディア」は、各国で実例が出始めている。人を再現する場合、撮影回数を重ねなくても呼びかける相手の名前や内容のバリエーションを増やしたり、多言語化ができたり、といったメリットがある。広告世界大手WPPがシンセティック・メディアを社員教育用ビデオに活用しているほか、中国国営通信社の新華社は「AIアナウンサー」を2020年5月に発表した。