東日本高速道路(NEXCO東日本)と事業構想大学院大学(東京・港)を運営する学校法人先端教育機構は8月2日、事業構想大の仙台校を2022年4月に共同で開設すると発表した。両者は「人材育成と地域活性化に係る相互協力に関する基本協定」を同日付で締結。東北エリアの地域活性を担う人材の育成に向け協力する。
「仙台 事業構想大学院」は仙台駅直結のJR仙台イーストゲートビル(仙台市宮城野区)に置く。地元企業や自治体で事業開発や地域活性に取り組む人材などを対象に、2022年4月入学の院生を30人程度募る。平日夜間と土曜日に授業を行う2年間の課程で、修了後は事業構想修士(専門職)が授与される。企業の個別課題や地域共通の課題をテーマにしたプロジェクト研究を通じて社会課題の解決にも取り組む。
NEXCO東日本はグループ社員を院生として派遣するほか、プロジェクト研究の実施や仙台校の事務局運営にも協力する。
小畠徹社長は、「『構想とは理想の姿の構築であり、それによって地域・社会に新たな価値が生まれる。あらゆる組織に事業構想が求められている』という話を伺い、感銘を受けた」と提携の背景について説明。「今年度からの中期経営計画で、この5年間を『SDGsの達成に貢献し、新たな未来社会に向けて変革していく期間』と位置づけた。東北支社は主要な事業拠点のひとつ。両者で手を組むことで地域のためにできることがあると思い、今回の共同開設に至った」と述べた。
事業構想大学院大学は2012年に東京・青山に開学。2018年に大阪と福岡、19年に名古屋に拠点を広げた。社会人を対象にした専門職大学院で、マーケティングやクリエイティブを学びながら、教員や院生同士のディスカッションをもとに構想計画をまとめる。事業構想修士の学位取得者は361人に上る。
5つめの拠点となる仙台校は、企業とのコラボレーションによる初の試み。田中里沙学長は「その土地ごとに異なる魅力があり、院生や教員が刺激し合うことで、各地でユニークな構想が生まれている。仙台校にはぜひ東北全域の企業や自治体に参画いただきたい」とコメントした。